札幌市内のサービス付高齢者住宅は増加中
最近は札幌市内にサ高住(サービス付高齢者住宅)がどんどん建ちはじめています。
入居者の半数は札幌市外の、釧路や旭川など道内他都市からの転入だということです。
高齢者が賃貸借契約で入居し、見守りなどの生活支援を受けられるサ高住は、2011年に法改正があったのをきっかけとして急増中です。
賃貸物件が高齢者が借りにくいという問題もありそうですよね
道内の登録数は、2020年10月20日現在で2万698戸あるそうです。
そのうち札幌市は1万2299戸で道内の約6割を占めています。
入居者獲得競争とともに介護人材の確保も過熱しています。
札幌の一極集中が進む中で、札幌以外の地域では高齢者人口が減少していき介護施設などの新設はさらに厳しくなっています。
サービス付き高齢者住宅とは
サービス付き高齢者向け住宅とは、「高齢者住まい法」の改正により創設された「介護・医療と連携し、高齢者の安心を支えるサービスを提供するバリアフリー構造の住宅」のことです。
この制度は、高齢者が安心して生活できる住まいづくりを推進するために制定されました。
住宅としての居室の広さや設備、バリアフリーといったハード面の条件とケアの専門家による安否確認や生活相談サービスを提供して、高齢者が安心して暮らすことができる環境を整えています。
サ高住の建設には、国からの補助金が出ています。
新築工事に対して1戸あたり約100万円の補助金が出るため、JR北海道など他業種が遊休地をサ高住に活用する事例が相次いでいる様です。
こういった補助金制度もあることから、札幌市は、サ高住の他にも老人ホームの数が多く、高齢化に伴って施設の数は増え続けています。
一方で介護人材が不足している中で離職を防ぐため人材費上昇のため倒産や廃業というサ高住もでてきています。
2017年7月には、札幌市を中心にグループホームや有料老人ホームなど23施設(居室数1600以上)を運営していた介護事業者「ほくおうサービス」グループ5社が、札幌地裁へ自己破産を申請しました。
道内では最大規模を誇っていた事業者だけに、入居者やその家族従業員等、業界全体に大きな衝撃が走ったのは記憶に新しいです。
介護施設が破産したら補助金は無駄になる
10年間運営を続けなければ、補助金は返却しなくてはいけないというルールがあります。
でも、破産してしまった場合には返還のしようがありません。
廃業が増え続ければ、それだけ補助金の無駄遣いになってしまいます。
補助金は私たちが支払っている税金です(><)
サ高住、札幌市内にたくさん増えていいね!ではなく、もっと違う角度から見ることもしなくてはいけないと思います。
札幌市の高齢化率は、2020年時点では28%、2035年には35%と予想されています。
高齢化社会が加速するということは、医療需要が増加することになります。
人口の札幌一極集中は「熟年化」しつつあるといえます。
上記のことをふまえてまちづくりが計画されているため、医療機関もサ高住も増えてきています。
再開発事業の中にも高齢者向け施設は必ずある
札幌の再開発の中にも、中心部のオフィス街を除けば、かならず高齢者向けの住宅や施設が存在していることがわかります。
例えば、苗穂駅周辺再開発では北口にも南口にも高齢者向けの住宅があり、整形外科やリハビリテーション科がある病院や医療モールがあります。
商業施設も徒歩圏でいけることで、高齢の方を意識していることがわかります。
サッポロファクトリー近くの北4東6再開発でも高齢者向け分譲マンション「イニシアグラン札幌イースト」を建設中です。
2021年11下旬竣工予定、入居時期は2022年1月予定となっています。
生活サポート・医療サポート・食事サポートが付きで且つ分譲マンションということで、サービス高齢者住宅が賃貸マンションなのとちがい自分の資産として残る形なので注目が集まっています。
まとめと考察
札幌市は北海道内では一極集中で人口が増えており、他の市町村との状況は異なっています。
高齢化の影響があり、高齢者が安心して自立した生活を送ることができる施設が増え、医療機関も一極集中しているということがわかります。
個人的には、このままの補助金(税金)の使い方では、「地方創生」どころか地方消滅を促進していくのではないかと思います。
札幌市も今後生き残っていくために必死なのかもしれませんが、これでいいのかなという疑問はあります。
一方で、豪華なサ高住で過ごすお年寄りがうらやましくもあります。
今後も増えていく一方でしょうね。
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