北海道観光は「見る」から「体験」へ!宿泊統計から見えた日本人とインバウンドの変化

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宿泊統計から見えた2025年の変化

2025年の北海道の宿泊統計が発表されました!数字をじっくり眺めてみると、いま北海道の観光でどんな変化が起きているのかが見えてきます。

2025年7〜9月の北海道の延べ宿泊者数は1,338.2万人泊。

前年の同じ時期と比べると3.8%減となりましたが、2023年と比べるとまだまだ高い水準をキープしています。

観光全体の勢いが落ちたというよりは、「いま、誰が北海道を楽しんでいるのか?」という中身が少しずつ変わってきているようです。

今回のデータから見えてきたのは、北海道観光がこれまで以上に「インバウンド(訪日外国人)」に支えられる形へと移行している姿でした。

空の広がり

なぜ旅のピークが違う?日本人(8月)と外国人(7月)の行動パターンの違い

まず面白いのが、日本人と外国人での「遊びに来るタイミング」の違いです。

日本人宿泊者数 外国人宿泊者数 旅行の傾向
7月 347万人 115万人(ピーク!) ラベンダー等の絶景・体験重視
8月 389万人(ピーク!) 97万人 お盆・夏休みなど休暇重視
9月 325万人 66万人 初秋の観光シーズン

※データ出典:北海道運輸局・北海道観光振興機構「宿泊統計(2025年7〜9月)」

日本人の宿泊者数は、7月が347万人泊、8月が389万人泊、9月が325万人泊で、ピークは8月

いっぽう外国人は、7月が115万人泊、8月が97万人泊、9月が66万人泊で、ピークは7月にやってきています。

同じ北海道の夏でも、時期が見事にズレているんですよね。

日本人の場合は、やっぱりお盆休みや学校の夏休みなど、お休みのカレンダーに合わせて計画を立てる方が多い印象です。そのため、自然と8月に集中します。

でも、外国人旅行者は「いつ休めるか」よりも「北海道で何を体験したいか」をすご〜く大事にしています。

富良野や美瑛のラベンダーがいちばん綺麗な7月は、北海道らしい絶景に出会える最高のタイミング!旅行会社ツアーやSNSで見る憧れの景色を求めて、7月にやってくる人が多いんです。

カレンダーに合わせて動く日本人と、最高の体験に合わせて動く外国人。

それぞれの旅のスタイルが表れていて興味深いですよね。

札幌駅夜景

国内需要にはやや陰りも

ちょっと気になるのが、日本人宿泊者数のダウンです。 2025年夏の日本人宿泊者数は、7月(6.0%減)、8月(5.2%減)、9月(11.2%減)と、3か月連続で前年を下回りました。

  • 7月: 前年比 6.0% 減
  • 8月: 前年比 5.2% 減
  • 9月: 前年比 11.2% 減

背景にあるのは、やっぱり物価高や旅行費用 UP の影響です。

ホテル代や交通費が高くなっていて、特にご家族での旅行だと「ちょっと痛い出費だな…」と感じる場面が増えているのかもしれません。泊数を減らしたり、近場へ行き先を変えたりする動きも増えていそうです。

北海道人気は相変わらず高いものの、国内旅行だけで見ると、これまでのようなイケイケな成長からは少し雰囲気が変わってきているのを感じます

チカホ

街で見かける実感と、統計データの「ちょっとしたギャップ」

一方で、絶好調なのが外国人旅行者のみなさん! 7〜9月の外国人宿泊者数は277.9万人泊で、前年より12.7%も増えました。

ただ、ここで勘違いしちゃいけないのが「じゃあ、もう北海道は外国人ばかりなの?」というと、実はそうでもないんです。

7〜9月の合計で見ると、日本人が約1,061万人泊に対して、外国人は約278万人泊。全体で見れば、まだまだ日本人が8割を占めています。

北海道を訪れる外国人観光客の国籍割合(2025年7〜9月)

  1. 韓国: 29.1%
  2. 台湾: 23.7%
  3. 中国: 15.1%

(上位3地域だけで全体の約7割!)

でも、大通やすすきの、札幌駅周辺、二条市場あたりを歩いていると、「あれ? 半分くらい外国人じゃない?」って感じること、ありませんか?

そうなんです。観光客が集まる人気のスポットでは外国人の存在感がバツグンに大きいため、街の体感と実際の統計データにはちょっとギャップがあるんですよね。

国籍別で見ると、韓国が29.1%でトップ!

続いて台湾(23.7%)、中国(15.1%)となっていて、東アジアからの旅行者さんが大きく支えてくれていることが分かります。

ニッカ雨反射

「景色を見る」から「その場所に入る体験」へ

こうした変化の背景には、旅行する人たちの「価値観の変化」もありそうです。最近の旅は、「有名な場所を見る」から「その土地ならではの体験をする」へと主役が移ってきています。

その代表例が美瑛です!

美瑛の美しい丘や「青い池」は世界中で大人気ですが、魅力はただ「景色がきれいだから」だけではありません。

現地で写真を撮り、それをSNSでシェアして、自分だけの思い出として持ち帰る——つまり美瑛が届けているのは、単なる風景ではなく「その風景の中に自分が溶け込む体験」なんですよね。

グルメやショッピングなど「街歩き・都市観光」が得意な札幌と、大自然の中で「体験」を楽しむ美瑛や富良野。

それぞれの強みが違っておもしろいところです。

地域の物語が観光資源になる

近年の観光は、「何を見たか」だけではなく、「どんな物語に触れたか」が重要になっているように感じます。

私自身、昨年、美瑛で「アスパラひつじ」をいただく機会がありました。

アスパラガスの産地として知られる美瑛では、栽培の過程でどうしても出荷できない部分が発生します。

その未利用部分を羊の飼料として活用したところ、羊がよく食べ、肉質も良くなったことから生まれたのがアスパラひつじだそうです。

料理だけを見れば、一皿の羊肉かもしれません。

しかし背景を知ると、その味わいは少し違って感じられます。畑があり、農家がいて、羊を育てる人がいて、それが地域のレストランにつながる。

ひとつの料理の向こう側に、美瑛という土地の営みが見えてくるのです。私が訪れた際の様子は、以前「札幌クリップ」でも紹介しました。

▼関連記事
畑の真ん中のレストランで味わう、美瑛のアスパラひつじ
美瑛の魅力は丘の風景や青い池だけではありません。

地域の農業や暮らし、そこで生まれた食文化そのものも観光資源になり得ます。

2025年の宿泊統計から見えてきたのは、日本人客の減少と外国人客の増加という数字だけではありません。

北海道観光が「見る観光」から「体験する観光」へ、そして「消費する観光」から「地域の物語に触れる観光」へと少しずつ変わり始めている姿でした。


札幌が北海道観光の入口としてどのような役割を果たし、地域の体験や物語へと人々をつないでいくのか。

これからの北海道観光を考えるうえで、その視点はますます重要になっていくのではないでしょうか。

アスパラひつじ

まとめ:これからの札幌と北海道観光

2025年のデータから見えてきたのは、単なる人数の増減だけではありませんでした。

北海道の旅が「見る観光」から「体験する観光」へ、そして「消費する観光」から「地域のストーリーに触れる観光」へと、一歩ずつシフトしている姿です。

札幌が北海道観光の玄関口として、これからどんな風に地域の魅力やストーリーへ人々をつないでいけるのか。

札幌の街を見つめるブログとして、これからもじっくり追いかけていきたいと思います!


札幌クリップをもっと見る

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大通公園

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