地域住民中心のまちづくり計画
札幌市では札幌都心のみではなく、主要な地下鉄周辺等を「地域交流拠点」と位置付けて、その拠点にあった街づくりを続けています。
今住んでいる場所に5年後も10年後も住み続けたいと思う地域の魅力を高める取り組みが「地域まちづくり」となって行われているんですよ。
町内会への加入が減った昨今ではありますが、「住みよいまち」にするためには地域の方の協力が必須。
でも、それが難しいことや面倒なことであればメンバーは集まりません。
負担にならず住み続けたい街にするためにできること。
そのような取り組みをすでに開始している札幌市内の地域が複数あるのでご紹介します。
西区宮の沢の「ラベンダー通り」
「ラベンダー通り」とは中央区から西区・手稲区を縦断する二十四軒手稲通りの西区内路線に名付けられた愛称です。
地下鉄東西線が地下に走っている二十四軒駅→琴似駅→発寒南駅→宮の沢駅間の地上となります。
距離にすると9.4km。
ここにラベンダーを植えているのは地域の方々なんです。
最初は景観をよくできないものかと考え、ラベンダーの植栽ならみんなでできそうということで始まったそうです。
今やラベンダー通りのラベンダーは、地域のシンボルとなる道路景観となっています。
6月下旬頃から花を咲かせるラベンダーは、北海道の短い夏の始まりを思わせいい香りを風が運んでくれています。
植栽されているのが地元の方とは知りませんでした。
その他にも清掃活動やスノーキャンドル等地域主体の活動が広がっています。
地域コミュニティもできて景観もよくなるなんて素敵な取り組みですね。
豊平区平岸 にぎわう街づくり
平岸には平岸通(平岸街道)があり、マンションや飲食店が立ち並び人通りも多い場所です。
この平岸通と地下鉄平岸駅周辺地区の魅力向上に向けたまちづくりが進められています。
人も車もたくさん通る場所ですから、にぎわいを創出するということを中心に取り組みが進められているんですよ。
「平岸マルシェ」や「平岸GOGOベンチプロジェクト」等、独自のイベントで街を盛り上げています。
更に店舗等を誘導するために、平岸通や白石・中の島通沿いに建物を建築する際オープンスペース等を導入すると容積率が加算されてより高い建物がたてられるよう検討中です。
引用:札幌市
西区琴似 歩きやすい街づくり
西区琴似はJR琴似駅と地下鉄琴似駅の間にある商店街等連続した街並みが魅力の街です。
1904年に屯田兵制度が廃止された後、この道路一帯がそのまま琴似の中心街となり商業が発展してきました。
1976年の地下鉄東西線開業の時に都市化が急速に進み駅前通りはロードヒーティング整備や流雪溝、電線の地中化等快適な歩行空間が保たれています。
現在は多くの建物が建て替え時期を迎えるため、まちづくりの目標や建物の建て方のルールを策定している最中です。
例えば建物横の歩道を広くしたら容積率をあげ、ビルを高くしていいですよ等。
地下と直結したビルを造れば、高さは最大200%高くしてもいいよ等のルールが考えられているんです。
こういったルールを作ることにより地区計画の目指すまちづくりを共有して、地区の魅力向上につながります。
オープンスペースができることで賑わいがうまれて魅力のある街づくりにつながります。
https://sapporokara.com/2022/12/31/2022nenchuumoku/
まとめ
街の魅力を一番知っているのは、その街に住んでいる方達なのでそれを巻き込んでのまちづくりはとてもいい取り組みだと思います。
自分たちで考えることで街に愛着もわきますし、大事にしていこうという気持ちも生まれますよね。
また、札幌市が介入することで道路や建物の景観や規制も変わってきて、更に便利になっていけば人も増え、より住まう方が増えるということにつながります。
現在は地下鉄真駒内駅前や新さっぽろ駅周辺でも住民による街づくりが行われています。
変わる街並みは札幌中心部だけではないということですね。
写真:地下鉄琴似駅前十字路