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札幌地下鉄減便検討中 改修・耐震工事も資材高騰で負担に

シェルター

札幌地下鉄経年劣化進行も乗客減で本数減便?!

札幌地下鉄は乗客数がコロナの影響して落ち込んでいるため減便を含めた運行ダイヤ見直しの検討を始めました。

一番混む時間帯の朝のラッシュ時でもコロナ禍前の2019年と比較すると10%減。

日中は15%減、午後8時以降は20~35%減となっているためです。

感染症の人数は減ってきましたが、やはり前に比べると外出を減らす人や不特定多数の方がいる公共交通機関を使う人が減っている影響のようです。

見直しの内容や時期はまだ未定ですが、「利便性が低下しすぎることがないように検討する」とのこと。

地下鉄の出発時刻を考えなくても、ある程度の間隔で発着していたので今より減ると聞くとやはり少し不便さを感じてしまいます。

駅別人員

引用:札幌市交通局 駅別人員の推移



改修・耐震工事は安全のため必須

一方で老朽化が進み改修が必要な箇所は工事をすすめなければなりません。

ススキノラフィラ跡地に新しい商業施設ができる予定の地下鉄南北線すすきの駅コンコースの壁や床もリフレッシュ工事予定。

新しい大型複合施設は2023年秋には開業予定のため、それには間に合いませんが2024年3月15日までには全体の完成を見込んでいます。

鋼材の高騰で工事費は当初の6億円から8億円に上がっています。

すすきの駅古い

写真:すすきの駅

 

さっぽろ駅も同様で老朽化がすすんでいます。

北4西3の再開発の時期に合わせて、さっぽろ駅のホーム拡張工事を行う予定です。

その際に現在の「島式」から「相対式」にしてホームをふやすことで混雑を緩和しようとしています。

さっぽろ駅ホーム

北4西3の再開発でできる仮称ヨドバシタワーに直接いけるようなイメージです。

更には、2022年11月から地下鉄南北線のシェルター380mの耐震改修が、22億円をかけて進められています。

地下方式の半分ほどの費用でできる高架方式は、騒音防止にもなり札幌の地下鉄の特徴にもなっています。

シェルター

安全面を考えると老朽化、耐震化は優先して進めていかなくてはいけない事業です。

2023年度には市営地下鉄全線で新たな震度計システムネットワークも導入する予定です。



札幌市地下鉄の財政状況

減便すると運賃収入は減ってしまいますし、それなのに改修工事等には費用はかかって大変なんじゃないの?と素人目には思いますよね。

札幌交通局は運賃収入以外にも広告料や補助金等の営業外収入もあるんです。

令和2年にコロナの影響でグンと落ちてしまった収益が令和3年は回復してきたことから黒字となっています。

でも、コロナ前と比べるとまだ1/3しか回復していません。

グラフ

引用:札幌市交通局

やはりまだ外出を極力控える人はいますよね。

令和4年度(2022年4月~2023/3/1まで)の営業収入はこれからの発表になります。

2022年後半から少しずつ回復してきたもののまだコロナ前の収益には及ばないと思います。

路面電車(市電)は、何年も赤字が続いていますし地下鉄と合算すると札幌市交通局の収益はなおさら期待はできない数字だと予想します。

まとめ

公共交通機関も人口減、老朽化、コロナの影響、燃料高騰、資材高騰とさまざまな影響をうけており苦しい状態が続きそうです。

地下鉄の本数減便もこういった影響で、すこしずつ私たちの生活に影響しはじめてきたことの一つです。

札幌市から地下鉄がなくなることはないと思います。

でも、現在の状況では減便も致し方ないとあきらめるしかなさそうです。

ゴムタイヤ地下鉄