大通公園のベンチ色がエリアごとに相違
札幌市民、観光客の憩いの場所「大通公園」のベンチの色がエリアごとに違うということはご存じでしたか?
大通公園のベンチは札幌の景観色70色の中から配色されており、各エリアごとに色が違うんですよ。
似ている色もあるので微妙な色合いもありますが、市民ボランティアがベンチに札幌景観色を塗ってくれているんですよ。
札幌の景観色公式Facebookでは、札幌の景観色を探す様子が見られて面白いです。
札幌景観色は70色
では、札幌の景観色とは何かみてきたいと思います。
札幌市は2004年に景観ガイドラインとして「札幌の景観色70色」を制定しています。
札幌の景色を調和のとれた魅力的な景観にするために、ふさわしい色として制定した全国的にも珍しい試みだそうです。
各色には北海道に関連する名称がつけられています。
地域的なイメージや四季を通して札幌にふさわしい色としています。
地名や草花の名称、食べ物等バラエティ豊かですが、それぞれの色に札幌の色としたストーリーがあるんですよ。
例えば「生チョコ」と「ビア茶」という美味しいそうなものを見て見ると以下。
札幌景観色の配色パターンを作成するツールとこのストーリーがありますのでご興味ある方はのぞいてみてくださいね。
色彩のプロには悩みの種となる札幌の景観色
札幌景観色は市内の作家さん、職人さん等によってインテリアや小物などの商品にも使われ市民にも好評です。
でも、肝心の建物や建築デザインの色彩をする方々には「70色しかない」と不満の声があがっているそうです。
私も知り合いの建築士さんが「札幌では色が少ないから建物を建てるのはおもしろくない」と言っていたことを思い出します。
確かに建物によくつかうベージュやブラウン、グレーやアイボリー等のバリエーションが多くないことに気付きました。
また、札幌市が示す色あいと明度、彩度の許容範囲を表した「限界色域」というものがあるのですが、最初は日本塗料工業会の色票と紐づけられていませんでした。
2019年には札幌景観70色と日本塗料工業会の色票をリンクさせた色彩を公開しています。
ただ、その色を綿密に置き換えて見える化するには簡単ではなく、「だいたい・札幌の景観色」として配布しているようです。
だいたい・札幌の景観色はコチラ
札幌の景観色を使った小物や作品はコチラ
札幌景観色を利用した建物
建物で一番わかりやすいのは「さっぽろテレビ塔」で「1-Fペチカ」と「6-G蝦夷松」が使われています。
大通西4丁目の石屋製菓が入っているビルは外装の御影石の色が「10-D吹雪」です。
赤プラ横の日本生命札幌ビルは「10-A新雪」と「10-B霧氷」の色なんです。
藻岩山ロープウェイでは、「10-D蝦夷梟」と「2-E蝦夷りす」
その他には、旧永山武四郎邸(氷雨)や市立札幌病院(霧氷 銀鱗)、桑園小学校(銀鱗)、水穂大橋(雪まつり)、太平跨線橋(雪虫)等がつかわれています。
様々な建物や橋、街中の普段使用しているようなベンチ、観光客にも人気のロープウェイ等、私たちの生活の関わる場所に景観色は使用されているんですね。
まとめ
札幌景観色が70色もあると思っていましたが、プロからすると70色しかないになるんですね。
造り手側の立場に立つと、そのような問題があるのだなと初めて知りました。
でも、札幌の景観色を知ることで、街の中の建物等をこんどじっくり見て見ようという気になりませんか。
大通公園のベンチの色等は普段はあまり気にしていない人も全部のエリアで違うとわかれば、お散歩がてら1丁目から12丁目まで歩く目的ができていいかもしれないですよ。
今後できていく新しいビルにはどんな色が取り入れられるのか、また周りと調和した景色がどのようになっていくのかが楽しみですね。