百年記念塔解体後にモニュメント設置予定
野幌森林公園に建っていた「北海道百年記念塔」の解体跡地に新たなモニュメントが設置される模様です。
モニュメントデザインは、百年記念塔の建設時の考えや塔に親しみを抱いてくれた方々の思いを引き継ぎ、互いの多様性を認め合う共生を表現しているものとし募集しました。
モニュメント設置に関する懇談会は6回行われ、現在は一次審査結果として6作品までしぼらています。
モニュメントデザインの一次審査結果について ←北海道文化局のページ
百年記念塔解体の経緯
百年記念塔は維持するにしても解体するにしても費用がかかるため、解体か存続かで注目されてきました。
北海道を築いてきた人たちへの感謝とこれからの未来発展への願いが込められたシンボルタワーとして1970年に完成しました。
100年の耐久性を条件に設計され、塔の建材には錆の皮膜で内部の腐食を防ぐコルテン鋼が採用されました。
(※設計者は当初の設計と異なると主張しています)
北海道100周年ということで高さは100mとなりました。
当時は、建設費5億円の半分は道民の寄付で賄われていたんですよ。
老朽化のため2014年には立ち入り禁止になっていましたが、2018年には部材が落下して老朽化の加速は維持管理を十分に行っていないのではないかと指摘されはじめました。
(後に落下した部材は後付けされたものと判明)
塔の構造上で今後の老朽化を完全に防ぐことはできないとして、安全確保や将来世代への負担軽減の観点から2018年には解体が決定。
塔の維持費が50年で30億円かかるという北海道の試算の元、解体を反対する市民団体が多数おりクラウドファンディング等で保存を求め解体さし止めの訴訟を提訴(2022年10月)
時を同じくして、2022年10月から塔の解体が始まり、解体工事看板に落書きがかかれたこともありました。
釈然としない中で解体は進められました。
写真:2023年6月
2023年8月現在は一部底部の鉄骨を残して塔の姿はすべてなくなっています。
校歌や校章、カントリーサインにも
解体はされてしまいましたが百年記念塔は小中学校の校歌に謳われていたり、校章に描かれたりもしています。
江別市のカントリーサインにもなっていますね。
私も関東在中の時は、新千歳空港から札幌に向かう快速エアポート内から百年記念塔が見えると帰ってきたなぁと思えるものの1つでした。
北海道らしい広大な土地にある百年記念塔は遠くからも見えて、風景にとけこんでいた素敵な塔でしたよね。
解体をめぐっての賛否はその姿がなくなっても続いており、撤去後の構想を描く機運が高まりにくいという声もあります。
跡地のモニュメントの応募も係争中であるがため、出しにくい状況で応募の数は多くなかったのではないかとみられます。
個々に色々思うことはあるかもしませんが、なくなってしまった今はこのような美しい塔があったということを心に刻んでおきたいと思います。
(※百年記念塔に関しては、未だ賛否別れているのでご意見いただくこともありますが、私からはお返事いたしませんのでご了承ください)