札幌-再開発

札幌再開発で延期・再検討中の建物 建築費高騰の影響大

旧四季劇場

札幌再開発延期・再検討の建物や土地

円安や資材不足などで建設費は予想を上回る高騰をつづけています。

札幌市内では再開発が進められていますが、中にはやはり延期や再検討が余儀なくされたものもあります。

また旧建物は解体したものの次の利活用がなかなか決定しない場所もあるんです。

新規および建て替え判断が先送りされる中ですが、都心部を遊休地とするのはもったいない。

札幌市としては、なんとか土地の利活用の検討をしていかなくてはいけません。

札幌市内で延期・利活用未定となっている再開発予定の土地、建物等をあげていきます。

大通東1、2丁目再開発

大規模再開発予定が延期となっているのは大通東1丁目と2丁目もその一つです。

大通東1丁目は北電や中央バスターミナル、旧劇団四季劇場がある場所。

大通東1

MAP:当初の再開発計画

大通東1丁目は高さ120mを超えるタワービルを計画されており、ホテル・オフィス・商業施設・バスターミナルの複合施設を計画。

大通東1イメージ

引用:札幌市(2018年時の計画)

大通東2丁目はニトリが取得し複合施設を建設予定。

両者ともコロナの影響で事業内容やスケジュールを再検討ということで延期となっています。

計画では2029年には竣工予定でした。

引用:札幌 大通東2丁目のニトリによる計画ビル

今後、計画通り建設するのか別の用途でいくのかはまだ不透明なままです。

 

そして最近ですが、2022年12月に札幌市が持ち主である北5西5「SAPPORO55」ビルと竹中工務店が持ち主の大通東1丁目「旧劇団四季劇場」を土地交換する話があがっています。

北5西5
土地所有者:札幌市  → 今後、竹中工務店へ
建物所有者:竹中工務店

sapporo55ビル

大通東1
土地所有者:竹中工務店 → 今後、札幌市へ
建物所有者:札幌市

旧四季劇場

大通東1の民有地と札幌駅そばの市有地 札幌市が交換協議へ 停滞の再開発促進狙う

引用:北海道新聞

土地を交換することで、駅前は民間企業に任せなかなか再開発が進まない大通東1丁目は札幌市が進める形になりそうです。

北5西5街区はセンチェリーロイヤルホテルの閉館も決まっており、大丸札幌横のとても良い立地のため今後の動きが注目されます。

でも、この土地交換が実現すれば、計画中の再開発が両者とも1歩前へ進む可能性が大きくなります。

北5西5は札幌駅前だけに特に注目していきたいです。

旧NHK跡地の利活用について

旧NHK跡地に新しい札幌市役所を建設する予定がありましたが、こちらも延期しているようです。

現在は旧NHK札幌放送局は解体され更地となっています。

202211

写真:2022年11月撮影

北1西9に移転したNHKの新放送会館は北1西9に移転し放送開始しています。

NHK札幌放送局

旧NHK札幌放送会館跡地については2022年度中に利活用を整理するとされています。

4プラ解体
札幌市内のビル解体ラッシュ到来 旧NHK、中央区役所、4プラ等札幌市内はビル解体のラッシュがつづいています。旧NHK放送局、中央区役所、4プラ、ホテルオークラも2022年3月現在は解体中です。 これからも再開発で街の新陳代謝が活発になりますが、新しい建物にはワクワクするだけではなく、解体される建物にもリスペクトしたいものです。...

芸文館(旧厚生年金会館)跡地

長い間、遊休地となっているのは芸文館跡地(旧厚生年金会館)です。

2018年9月末に閉館し跡地には中規模のMICE施設が整備される予定でした。

「さっぽろ芸術文化の館」から「さっぽろ芸文館」とよばれましたが、ネーミングライツで「ニトリ文化ホール」となりました。

ただ昔からご存じの人は「北海道厚生年金会館」といった方がピンとくるかもしれません。

北1西1の再開発ビル「創世スクエア」内に「札幌文化芸術劇場(hitaru)」が開館することで閉館が決まり解体となりました。

その後、更地となりましたが次の利活用については決定していないようです。

ニトリ文化ホール

2020年10月に解体済みです。

北海道知事公館の廃止

北1西15にある知事公邸も老朽化のため廃止しています。

1980年に建設されて歴代知事が住居としてきた知事公館は、札幌ドームがすっぽり収まる5万6千平方メートルもあります。

広大な敷地は木々に囲まれています。

現在の鈴木直道知事が2019年に4か月弱住みましたが、屋根や外壁の老朽化、水道管などの修繕が必要なくらい老朽化がしているとわかりました。

窓のサッシも開閉しにくくなり冬場も深刻だったとか。

年間維持費に約1200万(除雪・警備・修理等)、老朽化による全面改修には約7000万円がかかるとわかり、知事公館の廃止を決めました。

同じ敷地内にある国登録有形文化財「知事公館」は迎賓等に使っているようですが、その後有効活用はされていません。

知事公館

まとめ

2030年に札幌市が招致を目指す冬季五輪・パラリンピックの札幌開催が実現すればそちらに注力しなければなりません。

オリンピックが決定すれば施設整備費の一部約450億円を市が負担することも見込まれています。

そのため他の再開発まで札幌市の財源がまわらない可能性もあるんです。

2030年まではまだ7年ありますが、その前に完成させ運用しなくてはいけない場所もでてくるはずです。

札幌市は、ここ数年でうまく予算財源を分散していかなければいけない岐路に立たされているように思います。

当然再開発にも優先順位をつけることになり、札幌市役所の建て替えはオリンピックより後になる可能性もでてきますね。

オリンピック開催が実施となった時と中止となった時の財源が違いすぎて、その辺の匙加減が難しいところです。

また民間企業もこの建築費の高騰が続く中での建て替えは大きな負担を強いられます。

「札幌クリップ」は、今後も札幌市内の再開発を追っていきます。

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