高齢化で多死社会の到来
日本は今後の約20年間のうちに、他の先進国も経験したことがない人口減少と超高齢化で「多死社会」を迎えます。
更に日本の中でも札幌市は高齢化率が上位の都市になります。
政令指定都市の高齢化ランキングでみてみると8位です。
※総務省の住民票基本台帳からの数値
札幌市としてもこれからの高齢化社会を想定して、またコロナ禍での葬送や火葬場・葬儀についてのガイドラインをかためています。
写真:苗穂駅前 真照寺さんの最新納骨堂
札幌市の火葬場は友引稼働も検討中
高齢化と共に新型コロナウイルス感染拡大の影響で、従来型の多くの人が参列する葬儀は行えない状況が続いており、小規模の家族葬や火葬が多くを占めています。
札幌市内には2箇所の火葬場がありますが、休業日を「1月1日及び友引日」としています。
でも、火葬件数が増加しているために「友引」の日も稼働をすべきかどうかと検討中です。
- 里塚斎場
札幌市清田区里塚506番地
電話:011-883-1561
- 山口斎場
札幌市手稲区手稲山口308番地
電話:011-691-3636
現在は、亡くなられた方の住所または葬儀場の住所により斎場の利用場所をある程度指定しています。
・白石区、豊平区、厚別区、清田区、南区の場合⇒「里塚斎場」
・中央区、北区、東区、西区、手稲区の場合⇒「山口斎場」
札幌市の火葬場は予約制ではなく、到着順に火葬を受け付けているため特に友引日の次の日は混雑しており待ち時間が長い場合があります。
※市民の火葬料は無料(市外の方を火葬する場合は有料)
2000年以降、1年間の火葬件数は増加の一途をたどっており友引も稼働すべきか検討にはいりました。
また、「友を引く」「災が友に及ぶ」と読めることから、友引に葬儀、火葬を行うことを避ける風潮がありましたが、現代は気にしないという人も増えてきたためではないかとも考えられます。
コロナウイルス感染防止の観点からも密にならずに、火葬をするためには待ち時間をなくすべく予約システムの検討にも入っているようです。
札幌市火葬場・墓地のあり方基本構想
札幌市には「札幌市火葬場・墓地のあり方基本構想」というものもあるんですよ。
多死社会の到来によって、身寄りがない無縁墓や無縁仏の増加はもうはじまっています。
札幌市としては、他にも様々な問題が起こってくるだろうと想定して対策を練っていいるんですね。
また、札幌市民にも死を身近なものととして認識してもらうため火葬場や墓地のあり方についての協議会があり話し合いが進められています。
それぞれの経済的な事情や環境の許す範囲で、市民が望む葬送を実現できるよう不安を解消していける都市でありたいと策定したものです。
「終活」はじめてみる?
身近なところでは、「生活協同組合コープさっぽろ」が葬祭サービスを開始したそうです。
葬儀・終活の課題解決に向けて、組合員が180万人いるコープさっぽろのネットワークで葬儀、相続・不動産整理、納骨、遺品整理等のサービスをはじめていくとのこと。
高齢化、コロナのみにかかわらず、死はいつか必ずだれにでも訪れることです。
もしも自分の親族が、もしくは自分が葬送・火葬されると想像してみると嫌な事ではありますが、あらかじめ知っておいた方が突然のことにあたふたせずにすむこともあります。
時代の流れの中で、様々な課題を抱えながら、葬儀や火葬だけが形式にとらわれたもので存在し続けることは今後は難しくなるはず。
現代の風潮をみて自分の死について考えてみる「終活」をしてみるのもいい機会かもしれません。