地域批評シリーズ「これでいいのか北海道札幌市」
本屋のとてもいい場所に配置されているこの「これでいいのか北海道札幌市」。
札幌LOVEの私にとっては、ちょっと挑発的なタイトルに気になりながらも1度はスルーしました。
少し調べてみると、2007年創刊で北は北海道から南は鹿児島まで計136タイトルを発売し、発行累計100万部を超えた超ロングランシリーズらしい。
気になり、迷った末の購入・・・(笑)
だって他の本屋にいっても、いい場所においてあるんですよー。
ちょっとだけネタバレ
結果からいうと拝読して良かった本でした。
総務省の統計局のデータや札幌市内の「まちづくり戦略ビジョン」等、きちんとした文献から具体的な例をあげています。
また、著者が他の地域もたくさん見ているため比較できる点もおもしろい。
札幌はいい印象ではあるが、経済は好調とはいえず生活保護は増加傾向は現実のこと。
冬季オリンピックの周知を2030年にと息巻いているが、北海道新幹線札幌駅の開設はいまのところは「2031年」だよ・・とか。
確かに工事は遅れていてそれ以後になることもありうる。
2030年の冬季オリンピックは2月頃と考えると現実的な戦略としてはかなりマズイ。。
「なんとかなるよぉ」という札幌市の”のんびり体質”も問題あるとのこと。
確かに突っ込みどころ満載かもと、うなってしまいました。
一方でディスるだけではなく、ほめている部分もあります。
このシリーズで筆者がほめることはあまりないそうですが、褒めていたのが苗穂の再開発。
首都圏の周辺では当たり前の光景かもしれないですが、駅を中心に住まいや商業施設、病院や寺院と生活に必要な物がすべてつくられますもんね。
JR札幌駅からも1駅で、徒歩圏。
あれだけの敷地があったからできることですもんね。
私も苗穂駅周辺の再開発が楽しみです。
札幌市内の建設ラッシュについて
はげしく同意したことが、建設ラッシュについてでした。
これから造られるタワーマンション等は、場所がよくかなり高額になる場所もあります。
高額物件すぎて北海道内の「中の上」くらいの収入があっても購入できない金額だというご指摘。
「で?、そのビルには何が入るの?」
というタイトルは確かに!と思ったりしました・・。
再開発で街が活性化するのはいいことだけれども、あまりに足元を見ないで建設をつづけると値崩れして空洞化ということもありえないこともないのではないかということ
私も同じようなことを思っていたので、興味をもって読むことができましたよ。
他にも、おっしゃっていることに的を得ている、もっともだと思うことも多々ありました。
まとめ
歴史から気候、札幌人の気質、再開発や百貨店、受験についてまで様々な面から札幌のことを書いています。
最初は、手に取るのは抵抗ありましたが読んでいるうちに”札幌への好意”が感じられましたよ。
本を出版しているのだから当たり前なのかもしれませんが、とても細かく調べてあり知らなかったこともたくさん書いてありました。
残念だったのは「創成川」が「創世川」になっていたり、「東豊線」が「豊平線」となっていたりしたことです。
ここは住んでいないと気づかない人も多いかもしれないですね。