札幌市の人口動態はわずかに横ばいの理由
全国的に人口減少が進むなか、札幌も例外ではありません。
出生率の低下により、少しずつ人口減の波にのみこまれています。
でも、実は人口減が予想されていた時期にもかかわらず「横ばいを維持している」時期がありました。
それは何故なのか、札幌市の人口動態の傾向をみていきましょう。
2017年頃から「今年こそ人口減になる」と予想され続けてきましたが、実際に人口減となったのは2022年になってからです。
なぜ予想より減らなかったかというと、道内からの転入が多くその「社会増」が人口を支えていたからなんですよ。
つまり「札幌から出ていく人よりも入ってくる人の方が多かった」というのが理由になります。
札幌に移住してくる方の理由は、経済・教育・医療・生活の利便性など以下のような複数の要因があります。
・道内札幌以外の地方都市から若年層が転職・就職目的で移住する
・札幌に進学後にそのまま移住する
・高度医療機関が複数あることから高年層が移住する(定年後に病院が多い札幌へ引っ越す高齢世帯も多い)
・地方からのU・Iターン移住
・「ほどよい都会」でありながら自然・温泉・スキー場が近く満足度が高い
・東京・大阪等と比較すると、家賃物価が安く、自然が近い
etc….と理由は様々です。
現在は人口減少となっていますが、札幌の魅力が北海道内外の方が移り住む理由となっているのがわかります^^
北海道の人口の減少率は全国で最も高い
札幌のみではなく、北海道の人口もみてききましょう。
北海道は日本の総人口に占める割合は4.1%(2024年データ)
ピーク時の1997年には570万人だったのが2025年4月では約504万人となりました。
2025年8月6日に総務省が発表した人口動態調査によると減少数は全国で最も多く人口減が加速しています。
死亡数と出生数の差「自然減」は5万3556人にのぼり大阪に次いで全国で2番目に大きかったようです。
504万人のうち日本人は498万人とのことです(日本経済新聞2025/4/14より)
札幌市内を見ていても、観光客の外国人も多いですが住んでいる方も増えてきていますよね。
北海道の人口減少は、全国平均よりも約10年進行しているといわれています。
その背景には地方都市の高齢化や若者の都市流出、新たな産業の育成の遅れ等様々な要因があります。
北海道の人口減少とともに、地域の多様性や魅力が変化してきており、それに対応した地域戦略が求められる時代となっています。
今後も北海道や札幌市がどのようにして人口減少の波を乗り越え、持続的な発展を実現していくのか、その動向に注目が集まっています。
しかたがない流れとはいえ、市町村で人口を取り合うような形になっており個人的にはあまりいい気はしません((+_+))
札幌市の区別人口動態
札幌市を区別に人口の傾向をみていきましょう。
中央区 横ばいから微減
札幌市の中心であり、大通公園やすすきの・円山等商業・観光・文化の中心地。
高齢化進行中ですが、単身者や共働き世帯が多く。住宅再開発も進行中
北区 やや減少
北海道大学があり学生が多い。住宅地と商業が混在して交通アクセスが良い。
学生若者が多いが郊外部は高齢化。
東区 ゆるやかに減少
工業・物流・住宅がバランスよく存在。元町・栄町エリアが中心。
高齢化進行中。若年層流出ぎみ。
白石区 微減
交通利便性が高く古くからの住宅地が多い。
再開発で新築マンションが増え、都心回帰層が流入。
厚別区 横ばい~微減
高齢化がすすむが、再開発により若年層の流入もあり。
大型商業施設やJR、地下鉄の利便性も〇。
豊平区 横ばい~微減
住宅地と商業地が融合している地域。
子育て世帯も多く、バランスが取れた区。
南区 減少
中心地からは遠く、人口密度は低い。
面積が札幌最大で温泉地もあり自然豊かなエリア。
西区 減少
比較的人口は安定している。住宅再開発も続き商業地と住宅地が混在。
利便性が高く琴似や発寒が人気。
手稲区 微減~現象
郊外住宅地として発展し、自然と都市機能のバランスがいい。
若いファミリーが多かったが高齢化が進行中。
清田区 やや減少
比較的新しい住宅地が多く、戸建て住宅中心。
子育て世帯中心だったが、人口ピークがすぎつつある
上記の区別人口動態を2020年と比較してまとめると以下
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西区はほぼ横ばいで人口安定。
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中央区・厚別区・白石区・豊平区はわずかな減少。
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南区・清田区・北区・東区・手稲区では減少傾向がやや目立つ。
札幌に住んでいてもなかなかわからないこともありますよね。
いくら社会増があっても、全国的には人口減なのでやはりどうしても減少傾向になってしまいます。
まとめ
札幌市の2025年9月1日現在の人口は1,967,367人。
ピーク時の人口は2020年10月1日の1,975,065人。
2020年の将来推計では2060年には約159万人になると予想されています。
出生数の減少と高齢化が進み、自然減(出生より死亡が多い)が続く一方で社会増もありますが少しずつ鈍化していくと思われます。
全体数の人口が減っているわけですから、残念ながらそれは自然なことといえますね。
今でさえ人手不足といわれる世の中で、未来は仕事も淘汰されていくのでしょうか・・。
今後の札幌では、再開発やコンパクトシティ化など都市構造の再編が求められ、子育て世代や若年層が住みやすい環境づくりがキーポイントとなりそうですね。
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