現在の札幌地下鉄
札幌市の地下鉄は、南北線・東西線・東豊線の3路線で46駅あります。
この地下鉄が、雪国である札幌の都市生活を支えている重要な交通インフラであるということは間違いありません。
引用:札幌地下鉄
一番乗客数が多いのが、乗り換え駅にもなっている「大通駅」と、札幌への入口となる「さっぽろ駅」です。
東西線の端にある「宮の沢駅」が約20年前にできてから、地下鉄が延長されたことはありません。
現在の札幌市営地下鉄は2千億円を超える赤字を抱えており、人口減少が予測されている札幌市内での延伸は採算が合わないからです。
清田区が地下鉄延伸を希望しているわけ
札幌市内10区のうち地下鉄駅もJR駅もない区が「清田区」です。
その清田区は、かなり前から地下鉄延伸を求める声があります。
きっかけは、昭和63年(1988年)策定の札幌市長期総合計画に「東豊線(北野方面)の延長を推進する」と明記されたためです。
こうした札幌市の動向を見て、清田区に家を購入したり、居住を決めた人は増えました。
ところが、バブル崩壊後の平成6年(1996年)に策定の第4次札幌市長期計画では、地下鉄建設の記載は一切なくなりました。
札幌市の財政も厳しくなったんでしょうね。
清田区は、翌年の1997年に「清田区まちづくりビジョン」を策定し、地下鉄の「清田延伸」を求めましたが認められず現在に至ります。
引用:地下鉄東豊線建設促進期成会連合会
ところが、2018年11月22日の北海道新聞に「地下鉄延伸 市が検討継続」の記事が出ました。
引用:清田区と近郊地域の交流サイト
この記事により、再度延伸の可能性があるということで清田区の期待が高まり話題となりました。
札幌市長選の争点の一つ
現在の秋元市長が、平成27年(2015年)にマニフェストとしてあげたのが、冬季五輪オリンピックに向けた札幌ドーム周辺の選手村やメディアセンター等の施設の建設です。
オリンピック招致が2026年から2030年に変更になってしまったり、札幌ドームから日本ハムファイターズがでていくことになり、ますます清田区への地下鉄延伸は難しい方向になってきたところに、この北海道新聞の延伸の記事がでました。
地下鉄延伸のマニュフェストをあげた秋元市長は、その後も何度か地下鉄延伸についてを発言しています。
今後も札幌市長選では、地下鉄延伸が争点の一つになるかもしれません。
まとめ
札幌市清田区は2018年9月の北海道胆振東部地震の際に、液状化や陥没で被害を受けた地域です。
未だに住宅の修繕が完了していない方、耐震に不安をもっている方、心のケアが必要な方がたくさんいらっしゃいます。
北海道新聞の記事の真意はわかりませんが、もしも本当に延伸が決まっているのであればこういった方々が安心して暮らせるような基盤をきちんとつくってからの発表がよかったのではないかと思います。
札幌市内で一番新千歳空港に近く、日本ハムファイターズのボールパークができる北広島市の隣にありとても良い場所にあります。
札幌市長選挙の行方と札幌市がどのように結論を出していくか、また追っていきたいと思います。
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