チ・カ・ホの先に、静かな地下通路があるのをご存じでしょうか。
札幌市中央区の北1条地下歩道は、札幌駅前通地下歩行空間(チカホ)とつながる地下通路のひとつです。
便利な場所にありながら、チカホに比べると人通りは多くありません。
でも、2026年にその地下空間に変化が訪れようとしています。
札幌市中央区北1条西5丁目、かつて北海道放送(HBC)の本社があった場所で進む再開発「アーバンネット札幌リンクタワー」。
この新しいビルの開業によって、北1条地下歩道の人の流れが大きく変わる可能性があります。
HBC旧本社跡地で進む再開発「アーバンネット札幌リンクタワー」
現在建設が進むアーバンネット札幌リンクタワーは、オフィス・商業施設・ホテルが入る複合ビルです。
主な概要は次の通りです。
・地上26階
・高さ約110.9m
・オフィス(3〜16階)
・商業施設(1〜2階)
・ホテル(17〜26階)
札幌都心の新しい拠点となることが期待されている再開発プロジェクトです。
写真:旧HBC本社 2019年頃撮影
写真:建設中のアーバンネット札幌リンクタワー 2026年3月撮影
一度解体された異例の再開発プロジェクト
このビルは、建設途中で一度大きな問題が発覚しました。
2023年、鉄骨のズレや床の厚さ不足といった施工不良が確認され、すでに建てられていた建物の一部を解体することになったのです。
調査では
・柱や梁のズレ 最大21mm
・床厚不足 最大14mm
が確認されました。
安全性を確保するため、当時15階まで組み上がっていた鉄骨を解体し、再び構築するという異例の対応が取られました。
全国的に見ても珍しいケースですが、その後工事は再開され現在は2026年6月の竣工を目指して建設が進められています。
ビルの高層階には、ホテル「ハイアット セントリック札幌」が入ります。
客室数は216室。ロビーは17階に設けられ、約70mの高さから赤れんが庁舎や北大植物園方面を見渡すことができる予定です。
ハイアット セントリックは「街の中心を楽しむホテル」をコンセプトにしたブランドで、国内ではまだ数が多くありません。
札幌中心部の新しい宿泊拠点として、観光客やビジネス客の利用が見込まれます。
写真:新HBC新社屋とアーバンネット札幌リンクタワー 2026年3月撮影
札幌の北1条公共地下歩道とは
リンクタワーの地下でつながるのが、北1条公共地下歩道です。
この地下通路は2001年に開通しました。北1条西4丁目から西6丁目まで伸び、複数の出入口が設けられています。
さらに、札幌駅前通地下歩行空間(チカホ)とも接続しており、本来は非常に利便性の高い地下ネットワークの一部です。
しかし実際に歩いてみると、チカホとは少し雰囲気が違います。
人がいないわけではありませんが、通行量は比較的少なく、広い空間に静けさを感じることがあります。
地下通路としての機能は十分に備えているものの、人の流れという意味では、まだポテンシャルを十分に活かしきれていない場所とも言えるかもしれません。
いわば、札幌都心にある「眠れる地下ネットワーク」です。
アーバンネット札幌リンクタワー開業で地下通路はどう変わる?
アーバンネット札幌リンクタワーの開業は、この地下通路に新しい人の流れを生み出す可能性があります。
写真:北1条地下通路とアーバンネット札幌リンクタワーの接続部
オフィスワーカーの通勤動線
ビルのオフィスフロアには多くの企業が入居する予定です。チカホから地下を通って通勤する人の流れが生まれる可能性があります。
ホテル宿泊者の地下移動
冬の移動が厳しい札幌では、地下ルートの利便性は大きな魅力です。
ホテル宿泊者の多くが地下通路を利用することも考えられます。
商業施設への来館者
低層階の商業施設を訪れる人たちも、地下通路を利用する動線になる可能性があります。
駐車場利用者
北1条地下歩道の地下には「北一条地下駐車場」があり、約149台が駐車できます。
地下通路と直結しているため、車で訪れた人もそのまま地下空間を利用することができます。
地下通路の下にさらに駐車場(タイムズ24)が広がる構造になっており、歩行者と車の動線が立体的に重なる札幌らしい地下空間といえるかもしれません。
地下通路に生まれる新しい人の流れ
ビルの規模やフロア構成から推計すると、リンクタワー周辺では次のような人の流れが生まれる可能性があります。
平日 約4,000〜6,500人
休日 約6,500〜10,000人
こうした人の流れの一部が、北1条地下歩道を利用することになります。
これまで静かだった地下通路に、数千人規模の新しい足音が加わる可能性があります。
また、札幌の都心はご存じの様に地下空間が大きな役割を持つ都市です。
札幌駅、大通、赤れんが庁舎、大通公園。
それぞれのエリアが地下通路によって結ばれています。
北1条地下歩道に新しい人の流れが生まれれば、札幌都心の地下回遊性はさらに広がるかもしれませんね。
写真:チ・カ・ホ 2026年2月撮影
まとめ|眠れる地下ネットワークは目覚めるのか
HBC跡地の再開発「アーバンネット札幌リンクタワー」。
このプロジェクトは、新しいビルの誕生だけでなく札幌都心の地下空間にも変化をもたらす可能性があります。
これまで静かだった北1条地下歩道に、新しい人の流れが生まれるのか。
2026年のアーバンネット札幌リンクタワーの開業は、札幌の地下ネットワークにとって一つの転機になるのかもしれません。
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