滝野霊園は札幌市南区にある総面積180万㎡、札幌ドームが約32個分という大きな霊園です。
開園したのは1981年とのこと。
2016年夏にできた世界的建築家 安藤忠雄さんの「頭大仏」が有名ですが、この場所に「モアイ像」があります。
霊園なのになぜモアイ像があるのかが気になり調べてみました。
霊園にモアイ像があるのはなぜか
霊園と聞くと寂しい暗いイメージがありますが、それを払拭しようとユニークな設計のもと造られたのが滝野霊園です。
霊園を運営している公益社団法人ふる里公苑は、聖なる空間を創出することを目指し、多世代にわたる家族が「何度も訪れたくなる霊園」というビジョンをもっています。
多くの霊園は先祖代々訪れる人もいますが、最近は「墓離れ」や「墓じまい」という言葉もあり、従来の供養の形にこだわらない傾向がありますよね。
そのような状況の中でも故人を弔うことに革新的なアプローチをして霊園を重要な文化財・観光的な場所と変革し、国内外から訪問者がたくさん訪れて成功している霊園といえます。
霊園の正面入口にあるモアイ像は、巨大で入園者は誰もが驚き注目します。
異国のモアイ像と日本の仏教の伝統である地蔵菩薩を融合させているということです。
「モアイ地蔵」というわけですね。(2009年に設置)
33体あるのは京都の三十三間堂からきているそうです。
滝野霊園は特定の宗派に属していないため解釈は精神的な拠り所として提供しているとのこと。
モアイの『モ』には未来『アイ』には生きるという意味があり、みなさまの証を後世へ永遠に伝承できるように建てられました。
またモアイ像にはご先祖様をお祭りしている墓といういわれもあるそうです。
確かにはるか彼方を見つめているモアイ像を眺めていると心が落ち着くような気がします。
今では札幌の有名観光スポットのひとつになりましたよね。
1つ1つよく見ていくと顔も身体も違うんですよ。
個性を表しているのかなと思いました。

背格好や手の高さ、顔も違いますし妊婦さん?と思われる像もあり面白いです。
遠くから見るのと近くから見ることでも印象が違ってきます。

頭大仏・ストーンヘンジ等
滝野霊園内にはモアイ像の他にも不思議な光景があります。
イギリスの古代遺跡「ストーンヘンジ」は高さ5mもある巨大な石が円形状に配置されているもので世界遺産にも指定されています。
こちらが園内に実物大であり永代供養墓となっています。
レプリカとはいえ大きなものですし、イギリスの本物の方は今も多くの謎に包まれているため神秘的な建造物です。

また阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)の金剛力士像はスケートボード場への入口に配置されていました。


そして有名な「頭大仏」は、離れた場所からは見ることはできません。
水庭を越え、石のトンネルをくぐって頭大仏様のところへ行くことができます。

※水庭には11月から4月下旬は水は張られていません。
まっすぐに大仏様の所へはいけないというのが、違う世界へ足を踏み入れるような現社会との隔たりを表しているような気がしました。
この日は風もなく静かな日でしたが、風が強い日や雨の日は水面も変わってきますので、訪れるたびに違うイメージになるかもしれないですね。

コンクリートの長いトンネルは厳かな異空間でその先に大仏様が優しく見下ろしています。

ドームの穴から頭だけ突き出した大仏は荘厳な佇まいで圧倒されました。
大仏様は鎌倉にある大仏様と同じサイズ感だそうで、高さ13.5mで総重量1500トンもあるそうです。
近づかなければ見ることができないというところが神秘的ですし、芸術的な存在です。
また、水面と同様でドーム型で切り取られた空がお天気によって見え方が変わるところも考えられている気がします。
レストランやショップ等
施設内にはレストランやショップもあります。
レストランにはオリジナルメニューがありましたよ。
「モイくんカレー」

また、ショップにあった商品もユニークなものがありました。

まとめ
「なぜ滝野霊園にモアイ像があるのか」の解答としては、繰り返し人が訪れるようにする戦略的なものと哲学的な基盤を掘り下げたものがあるといえます。
象徴的な像や他のユニークなモニュメントがあることにより、霊園が文化的なランドマークへとなりつつあります。
日本の伝統的な墓地の景観とはかけ離れた光景は、インパクトがありますし好奇心もわいてきます。
霊園の重要な目的の一つは、人が頻繁に訪れることを快適に感じる環境を育むことです。
厳粛なだけではなく時には楽しむ場所として、モアイ像等のモニュメントを設置しています。
確かに「暗くて寂しい墓地」のイメージが一掃され大きく変わった霊園だと思います。
滝野霊園は今後もアップデートしていきそうですね。