「すすきの市場」「ゼロ番地」とは
札幌市中央区にある「すすきのゼロ番地」は札幌の独特な歴史と文化を持つ一角です。
「すすきの」という名称も住所では用いられていない上に「ゼロ番地」と通称でよばれているのは理由があります。
戦後の復興期にすすきの一帯には多くの露天商や非合法の屋台が軒を連ねていた場所です。
当時のすすきのは公的な整備の対象から外れていたエリアだったので、住居表示のようなものがなかったようなんです。
道内初の地下商店街になりましたが場所柄もあり営業不振でお店が多数撤退する時期もありました。
1960年代に”ススキノのビル王”と異名をとった故・久末鐡男氏が、「地上が1番地なら地下はゼロ番地にしよう」と命名したのが始まりです。
そのため通称で「すすきのゼロ番地」と呼ばれるようになりました。
正式な番地に属さない、つまり“制度の外”にあるという象徴的意味合いを持っていたためでもありそうですね。
結果的には、自由な商いの場として様々な人が集まる場所となり、現在でも「すすきの市場」の建物はあります。

ゼロ番地の魅力
すすきのゼロ番地の魅力は、そのノスタルジックな雰囲気と人情味あふれる空間にあります。
「すすきの市場」の建物は1958年(昭和33年)に建てられたものです。
(大正11年に札幌の2ヵ所目の公設市場として設置された「第二公設兼売市場」が前身。)
地下には約30店舗の飲食店が入っており、それを総称したものが「すすきのゼロ番地」といいます。

小さな飲食店、スナック、バー等が密集しておりノスタルジーを感じさせます。
カウンターのみの店舗が多く地元の常連客も多いですが、最近は観光客も増えてきているようです。



1階の市場は、鮮魚店、精肉店、八百屋、お惣菜店等が入っており一般の方も購入が可能です。

個性がギュッと詰まった空間や看板や内装。
昭和の時間が止まったような空間がまた魅力の一つです。

観光地としての華やかさはありませんが、札幌のディープな一面をみられる場所でもあります。
すすきのゼロ番地は趣がありいいよねー
すすきの市場の駄菓子屋さんは夜もやっているんですね#札幌 #すすきの #駄菓子屋 pic.twitter.com/nTmpQowDgo
— しょーこ@札幌クリップ (@kotton105910) March 25, 2025
すすきの市場周辺再開発
すすきの市場は古い建物なので老朽化と耐震性の問題がありますね。
住宅部分である2階から5階は札幌市内最古の公営住宅で「ススキノアパート」という名称でしたが2024年3月末に閉鎖されています。
1958年(昭和33年)に建てられたということは現在は築67年ということになるので札幌でもかなり古いビルです。
ススキノアパートが最近まであったことに驚きがあります。


ススキノ市場のビルは横から見ると全長は約100メートルあります。
5階まであることからすすきのアパートも結構大きな規模だったことがわかります。
すすきのは最新の耐震基準を満たしていないビルが多い状況ですが、複数のオーナーがいて権利関係が複雑だそうでなかなか新しいビルに建て替えとはいかないようです。
周辺の旧ススキノラフィラ跡地にはココノススキノが誕生しましたが、当初は地権者が多すぎて話がまとまりにくかったそうです。
同じようにすすきの市場のビルも飲食店街が協同組合、市場は札幌市第三セクターの札幌振興公社、アパートはURと持ち主が異なっています。
以前は改修工事の話もあがりましたが合意はできなかった模様。
水面下で再開発の話もあるようですが、一方で残してほしいという声も複数あがっている模様です。

まとめ
すすきののど真ん中にある「すすきの市場」「すすきのゼロ番地」についてあげてみました。
現在は昭和レトロが人気があり注目度も高いですが、戦後の北海道の歴史的な建物であることがわかりますね。
様々な時を経ても昭和30年代の建物が解体されずに、今現在ここに存在していることが不思議でもあります。
見られるうちに見ておいた方がいいかもしれませんね。
これだけの大きい建物なので、今後の動向に注目が集まります。