札幌の無電柱化はゆっくり進行中
札幌の無電柱化が少しずつ進んでいるのはご存じでしょうか。
「無電柱化の推進に関する法律」ができたのは2016年(平成28年)です。
2021年(令和3年)に新たな「無電柱化推進計画」が提示され、札幌の推進計画も2021年度(令和3年度)~2025年(令和7年度)と目標期間が設けられています。
ただ、道路の下には既存のライフラインを含む色々なものが埋没しているためなかなか進められないのが現状です。
道を掘り起こして元の電柱にあった電線などを地中化させるという作業はコストもかなりかかります。
昔からあるような広い道は、関係者とひとくくりにいっても警察、電線管理(電気、通信等)、上下水道系、周辺の店舗・施設、地域住民まで多くの人たちの協力が必要になってきます。
なかなか進まないのはそのためです。
日本は無電柱化後進国なんですって。
ロンドンやパリは100%に対し、東京都は8%、大阪は5%、札幌市は2%とのことです。
引用:NPO法人 電線のない街づくり支援ネットワーク
政令指定都市でみても札幌は更に遅い方ですね。
街の更新期になり再開発も進むことから少しずつ無電柱化が進んでいきます。
無電柱化の目的
無電柱化の目的としては以下の3つがあげられます。
・防災性の向上
・通行空間の安全性・快適性の確保
・良好な景観形成
1つずつみていきましょう。
防災性の向上
・災害時に電柱倒壊による道路閉塞の防止が図れる
・緊急輸送道路の車両の通行、電気や電話のライフラインの安定供給
何か災害があった際に、電柱が倒れて道がふさがり救急車や消防車が通れないと事態は悪化してしまいますよね💦
安全で快適な歩行空間の確保
・歩行者の安全快適な歩行空間を確保できる
・歩行空間が広くなり車いすやベビーカー、高齢者の移動がしやすくなる
交通量の多い場所では特に車いすやベビーカーの通行がしにくいです。
これらを解消するために札幌市内も自転車置き場を造ったり、バリアフリーにしたりと施策をしています。
良好な都市景観の創出
・自然を遮る電柱や電線がなくなることで美しい街並みが形成される。
電線がないことできれいな景観が保たれますので、観光需要のある北海道は特に力をいれていくと思われます。
台風や地震の頻発化で災害リスクの高い場所や少子高齢化が進んでいるため安心して生活・移動できるまちづくりをしなくてはいけない場所、観光のための景観をよくするためや冬季における除雪作業についても無電柱化は必要とされています。
優先度を決めて札幌市内の無電柱化は進められているんですよ。
札幌で無電柱化が進められている道路
令和5年度に札幌で無電柱化が進められている道路をあげてみます。
・西15丁目線(福住・桑園通)南1西15~南14西15の3.58km
・西7丁目線(西7丁目通)南4西7~南13西7の2.96km
・道道札幌環状線(環状通)南郷通1丁目南~美園3-7 1.7km
・道道札幌環状線(環状通)美園4-7から平岸6-10 2.7km
・南14条中央線(米里・行啓通)南14西14~南14西7 2.28km
・北3条線(北3条通)北3東14~北3時から東1 3.56km
・旭山公園米里線(菊水・朝日山公園通)南8西10~南9西1 2.45km
・東4丁目線(東4丁目通)大通東4~北6東4 1.66km
札幌市(令和5年度の工事個所)
引用:札幌市
すでに無電柱化済みのマップを見ると、ほぼ札幌の中心部で行われていることがわかります。
詳しくは札幌市の無電柱化事業ページへ
無電柱化が進み景観が変わる
無電柱化されるとどうなるかとメリットばかりをあげてきました。
デメリットを見ていくと、「高コスト、長期間の工期」。
なんと電柱設置に比べて無電柱化は約10倍もコストがかかるんで
復旧に時間がかかる、
復旧よりも人命の方が大事なので、
現在でも電柱は建ち続けているのでそちらの抑制も行って数を減ら
ただ電柱がないことでやはり景観がかなりよくなりますよね。
当別町のスウェーデンヒルズは、電線・電柱が一本もなくゆとりある環境を楽しみ快適な住まいづくりを行っているスウェーデンに学んで造られた街です。
素敵ですよね。
まとめ
札幌中心部はある程度の範囲で無電柱化されていますが、気にしてみることはあまりないと思います。
景観ばかりではなく最近では地域活性化や高齢化社会によるニーズが多様化してきたことからも進んでいるようです。
札幌はオリンピック招致も視野にいれているので、無電柱化の計画や検討は進んでいくと思われます。
電柱があることでノスタルジックな雰囲気も楽しめたりしますけどねぇ。
見慣れた風景をよく見て見ると無電柱化されている道路かもしれないですよ。