札幌市内にある砂箱
札幌市内にある砂箱は約4000個(2023年1月NHK北海道調べ)あります。
この砂箱、札幌市に住んでいる人は当たり前の光景ですが、他の場所から旅行やビジネス等で冬にやってくる人は何に使うかわからない方もいらっしゃいます。
この箱の中にはその名の通り砂(すべり止め材)が入っていて、冬の歩きにくいツルツル路面にまくために置かれています。
札幌市のれっきとした雪対策なんです。
そして誰もが自由に利用していいんですよ。
だから、ツルツル路面で危険だと思ったら自由にまいてくださいね。
砂箱は位置情報で見ることができます。
常時設置のものもありますが、だいたいは11月頃に設置されて3月頃に撤去されます。
その年の雪の状況により設置時期も変わってきます。
そしてたくさんある砂箱には様々な形があるんですよ。
車道側に向ているのは車用の大きな砂箱です。
歩行者も車もすべるのは怖いですよね。
この砂箱怖い!😅
雪がたくさん降らない場所に住んでいる方は砂箱を知らないんだよねー。この砂箱見せたらますます何をするものかわからなくなるかも🤣 pic.twitter.com/yUNisYgq8N— しょーこ@札幌クリップ (@kotton105910) November 24, 2021
すべりやすい場所
ただ砂箱をおいているわけではなく、歩行者の転倒者情報や路面観察情報等を得てすべりやすいところに砂箱を設置しています。
引用:札幌市
各砂箱には番号がついており位置情報が登録されています。
路肩の積雪データや気象データを得てICTを駆使して除排雪を行っているため、すべりやすい場所も駅近く等は把握できているんですね。
自己転倒して救急搬送された場合もきちんと場所や時間の統計をとっていますよ。
雪道の自己転倒による救急搬送(札幌市のページ)
令和4年は1139人、令和3年は1296人となっており、中央区がほとんどです。
そのため滑り止め材がおいてある砂箱も中央区の割合がかなり多くなっています。
たくさんの人が行きかう場所は雪も踏みしめられてアイスバーンになりすべりやすいのでしょうね。
写真:ドラム缶型のすな箱
砂箱の中に入っているのは「滑り止め材」
砂箱だから砂が入っていると思うでしょ。
でもね、砂ではなく実は石を砕いたもので砂よりも粒子が大きい物なんです。
「滑り止め材」といって、2.5mmから5mmくらいに細かく砕いています。
南区や小樽市銭函の砕石工場で製造しているものです。
(昔は本当に焼砂をいれていたことから砂箱になった模様)
砂があることで、靴と雪や氷の間に砕石がはさまりすべりにくくなります。
引用:札幌市 啓発ポスター
袋は3kgと1.5kgのもの、ペットボトルにいれたものなどがあります。
子どもが授業の中で、滑り止め剤をペットボトルにつめて持ち帰ってくることもありました。
正まさにご当地教育ですね。
まとめ
2023年度の札幌市の雪対策費は過去最大の264億円となりました。
前年度から約50億円増加で、前年度の決算が約269億円になったことを踏まえて予算を組んだとしています。
人件費や燃料費が上昇を続けていることが主な背景でもあります。
でも、札幌で生活をしていくためには冬の除雪や排雪は必須ですよね。
砂箱も雪対策の一つで、一割程は地元の企業が寄贈しています。
また一部ボランティアによる砂まきや春にはまいた砂を掃除し回収することもしています。
北海道は雪と共存していかなければいけない地域ですから、うまく折り合いをつけて生活をしていきたいですね。
生活道路の新雪除雪の出動状況も10分間隔で更新され、公開されています。