札幌-その他

大雪の札幌 なぜ除雪車・排雪車は来ないのか

大雪の札幌 なぜ除雪車・排雪車がこないのか

久々の大雪に見舞われた札幌。

24時間降雪量が”観測史上1位” を記録したとのニュースもありました。

千歳空港では飛行機が欠航、JR北海道は列車を運休。

車の渋滞やバス待ちで疲れ切っている人もたくさんいますし、何よりも水分を多く含んだ重たい雪に辟易としている方も多いと思います。

さて、なぜ除雪車・排雪車がなかなか来ないのか・・・

ズバリ「想定外の大雪」と「除雪オペレーターの人員不足・高齢化」にあります。

2019年、2020年と暖冬が続いたので、思うように人員が育たなかったことや経験を積める機会がなかったとも言えます。

また、札幌市が2年前より除雪の方法やルールを変化し、予算が少なくなったことにも理由がある様です。

雪山

除雪オペレータの人員不足・高齢化

社会一般的に人口減少・高齢化と言われている中で当然札幌市もその一途をたどっています。

人口減は他の都市に比べて少ないものの高齢化は顕著です。

除雪や排雪の仕事はかなり経験値が必要で、雪の量や質、暴風雪か否かでも対応がかわってきます。

また、違法駐車や違法駐輪があった場合に除雪車が巻き込んでしまうこともあるため、見極めが必要など様々な経験値を伴う模様です。

更に、深夜や早朝の作業が多いことや季節労働であることで、若者が職に就くことは少ないそうです。

そして今回の様な想定外の大雪が降った場合は、余剰人員がない状態になり市民が望むようには除雪できなくなります。

更に雪により道が狭くなることで、除雪車や排雪車も渋滞に巻き込まれ思うように身動きがとれない状況となります。

雪トラック
流雪溝
「流雪溝」が埋もれている 設置の落とし穴と高齢化や担い手不足「流雪溝」は設置された1970年から1980年には「夢のインフラ」と言われるほど重宝されていました。 でも、高齢化が進む札幌ではその流雪溝まで運ぶ担い手(ボランティア等)が減り未使用の場所もでてきています。...

札幌市の新しい除雪とは

札幌市が2年前から実証実験を行っているのは、市民の声があったからです。

「除雪車がおいていった雪で、家から出られない」というもの。

この状況、札幌市民なら理解できるはず。

除雪車が置いていったガリガリで重たい雪は高齢者であればなお除雪できない代物です。

そこで、そういったことがおこらないように住宅の前や通りを整地する作業を目指しているようです。

一方で人手不足のため除雪基準を積雪10センチから20センチにしたり、道を往復除雪から片道除雪に変更を試みています。

これにより家の前に除雪車がおいていく雪はなくなるものの道路はせまいままという状況が生まれてしまいます。

(実証実験を実施しているのは5%程の地域とのこと)

今回の大雪はその想定を超えてしまいました。

新しい除雪

引用:北海道放送

また、毎年増加の一途をたどっている雪対策費予算ですが、令和3年は初めて減少しました。

減少

引用:札幌市 赤-道路除雪費 青-雪対策費

道路除雪費を減らして雪対策施設費を多くしました。

過去2年の暖冬が続いたことで実績値から運搬費を減らせると考えたのかもしれません。

令和3年雪対策

引用:札幌市

まとめ

今季の冬はまだ暴風雪や大雪が続く予定で、様々な理由が重なり少しストレスがたまるかもしれませんね。

札幌市は人手不足に伴いICTによる除雪も取り入れてきています。

生活道路の出動予定情報はテレビのデータ放送や札幌市公式LINEからも見られます。

ホームページはこちら→生活道路の新雪除雪出動情報

でも、北海道民は雪との共存が必須の場所です。

約200万人都市でこれほど雪が降る街は世界中でも少ないと言われています。

休みなく除排雪してくれている方に感謝しつつ雪と共存できる札幌市民として誇りをもって、時間や心にも余裕をもって冬をすごしていきましょう。

道庁の雪