札幌-その他

「ポプラの綿毛」が舞う札幌 初夏の風物詩は幻想的

わたげ

ポプラの綿毛は札幌の風物詩

5月も終わりに近づき白い綿毛が舞うようになりました。

あの正体はポプラの綿毛です。

風にのってフワフワとどこからともなくやってきて、去っていく様子を見かけたことがあると思います。

ポプラの木
北海道をイメージする背の高い木の写真がよく使われますが、これが正にポプラの木です。

ポプラは、雄(オス)株と雌(メス)株があり白い綿をつけるのは雌(メス)株のみ。

雄株はあまり横に広がらず、雌株は葉や枝が横に広がっているとのこと。

日本で街路樹として植えられているのは、 ほとんど雄株なんですって。

上の写真はすべて雄株なんですねー。

綿毛がたくさん集まると、まるで雪の様に見えます。

ポプラの綿毛

4月から5月に開花して、5月から6月に実が成熟します。

その後に、果皮が割れて、中から飛び出てくるのが白い綿毛なんです。

その綿毛が、街中を浮遊しているんですね。

白い綿がふわふわしていて、すごく幻想的に見え、夏に降る雪のようでもあります。

わたげ

北海道にポプラの木が多い理由

北海道にポプラの木が多いのは、開拓時代に防風・防雪林として、また隣の土地との境目の印としてよく植えられたからだそうです。

最初は、風害から農作物や用水路を守ったりするために、植えられたんですね。

ポプラは交配も容易で、紅葉や樹形が美しいため街路樹としても植えられています。

また、気温が低くても最低限の手入れで成長も早く、20年ほどで伐採できるようになるので商業施設等でも好まれています。

でも、防風林として利用されていたにもかかわらず台風には弱い様で本州ではうまく育たず、日本では北海道にしかないそうですよ。

方向が定まっていない渦を巻くような風には弱いということかな。

ポプラ

ポプラの綿毛は悪影響もあり

モスクワでは、この綿毛が害にもなっています。

ポプラの綿毛自体にアレルギーはないけれど、綿毛が運ぶ花粉やホコリでアレルギーになる可能性はあるとのこと。

またスペインでは綿毛焼きという行為も見られますが、これは火事になりやすいので危険ですね。

綿毛が燃えやすいので、草や木の幹はスルーしてしまうそうです。

札幌の各地では6月下旬から7月上旬にかけて、ポプラの綿毛が白いカーペットをひいたかのような状態になる場所が点在します。

中島公園や真駒内公園、北大のポプラ並木、前田森林公園等、札幌の各地でたくさんの綿毛を見ることができます。

でも、清掃をする人や花や植物を愛でたい人にとっては、やっかいもの扱いとなっていることもあります。

網の上のポプラ

勇気を出して空を浮遊しているポプラの種子達

札幌の初夏の風物詩として夏の雪のようなキレイなイメージがありましたが、アレルギーや他の植物への影響もあるんですね。

扱いやすいからと人間の手でポプラの木をたくさん植えられたのに、綿毛はやっかいもの扱いされることもあるなんてちょっとかわいそうな気もします。

ポプラは、子孫繁栄のために様々な場所に種子を飛ばして根付いています。

語源はわずかな風にもポプラの葉がそよぐことから「ふるえる」からきているそうです。

そして花言葉は「勇気」。

勇気を出して飛び出してみようっ的な感じだと覚えやすいかも。

札幌の初夏の風物詩「ポプラの綿毛」の季節を楽しみましょう。
ポプラの綿毛
写真:近代美術館周辺(北1西17)