オフィスビル建設が加速する制度
札幌市は企業立地に関する補助制度をつくり優遇措置として色々な施策を行ってきました。
新規進出企業や市内企業の拡大に欠かせないオフィスビルの不足を懸念しており、ビル新築や建て替えを計画する事業者に対して補助しています。
しかし、2023年9月30日でコールセンターの新設や増設の助成金申し込みを終了。
運用開始されたのは1999年だったので24年も継続していたんですよ。
そのためたくさんのコールセンターができ雇用はうまれましたが、正社員は全体の10%程度となっています。
助成制度がなくなることによりコールセンターのオフィス開設は鈍化してくるものと思われます。
そして現在、札幌市内は賃貸オフィスの需要があるものの不足が続いています。
今後の再開発でオフィスビルが増えていく要因は、こういった優遇措置にあるんですね。
札幌市が企業誘致に力を入れる理由
札幌市が企業誘致に力をいれるのは、市内の生産年齢人口(15歳から65歳)が減っていくからです。
生産年齢人口が減るということは、働き手が減るということですから生産も減るということになります。
流通経済が縮小してしまうのです。

日本国内すべての地域でいえることですが、65歳以上の生産年齢以外の人口は膨らみ続けますので、その人たちを少ない働き手で支えなければならない事態になります。
そこで企業の進出により雇用を増やそう → オフィスを建設してほしい → オフィス建設に助成金
という流れになっています。

そのためオフィスビルの建設が札幌の中心部にどんどん建てられており2023年以降は過去に比べるとかなり数値が多くなっています。
札幌市内のオフィスビル建設について
直近の札幌市内の大型オフィスビルをみていきます。
2023年5月 北3西4 「D-LIFEPLACE札幌」 13階建ての複合ビルが竣工済

2023年8月 北6西1 「The Link Sapporo」13F建てのオフィスビルが竣工済
2024年5月 北4東4 「創成クロス」竣工予定
2025年6月 北3西3 「ヒューリックスクエア札幌」二期工事完了予定

2025年中 北2西4 北海道ビルディング跡地を複合ビル竣工予定
2026年6月 北1西5 旧HBC本社跡地を複合ビル竣工予定
2028年度中 北4西3 ヨドバシホールディングス他と大型複合ビル竣工予定
(スケジュール1年遅れ)
2028年度中 札幌駅前北5西2,西1に大型複合ビル竣工予定
(計画見直し中)
いままでのビルの建て替えには、低層階に商業施設、中層から高層階にホテルかマンションというビルが多くを占めています。
この助成制度により、ホテルやマンションよりもオフィスフロアが増え参入してくる企業が増えれば札幌市の思惑通りとなります。
まとめ
札幌市内の人口は減少していくのにオフィスをこんなに造ってどうするんだろうとは思いますが、札幌市としては道外から企業誘致して経済の活性化をはかろうとしています。
オフィスの空室率が少ないため賃料も上がっているんですって。

リモートワークが定着している企業もあり、おそらく今後は人口減少や労働者減少が重なるのでオフィス需要は縮小していくと思われます。
東京では新築ビルの需要は堅調ですが、築年数が多いビルはテナント確保に値下げするところもあるようです。
なんだか空き家問題と同様で、人口減少は色々な所に影響を及ぼしますね。
札幌のオフィス需要はいまは上向きですが、将来東京と同じように築年数の多いビルは取り残されることになるのではないかと心配もあります。