「義務教育学校」って何?
2016年に新設された、新しい時代の義務教育のカタチである「義務教育学校」。
義務教育学校は、小学校と中学校の区切りを減らして義務教育期間である9年間の
学習をトータルに考えられるようにした仕組みです。
一般的に小学校から中学校へ変わるときには、制服や通学距離、友達の顔ぶれ、
先生方の考え方や授業内容が大きく変わります。
このような環境の変化で子供たちがつまずきを感じてしまうことを
「中1ギャップ」ともいわれており、成績の低下や不登校の要因となることもあります。
校則が急に厳しくなったりもしますもんね。
小中一貫教育は中1ギャップの解消等に成果はあるものの現時点では設置することに慎重な自治体が多いそうです。
メリットとしては、小中という区切りがなく徐々に移行していけるため大きく環境を変えることなく学べるというメリットがあります。
(※入学式も卒業式も各1回とのこと。)
その反面、同じ顔触れや雰囲気になりやすく新たな変化へのキッカケが
見つかりにくいというデメリットもあります。
学校の統廃合により義務教育学校となることも多いため、通学をするのに遠距離になってしまう場合は負担が増えてしまう可能性もあります。
札幌では、令和5年4月からすでに「義務教育学校」をスタートさせているんですよ。
引用:札幌市 令和5年度さっぽろっ子小中一貫したつながりのススメ
最初の札幌市義務教育学校は「福移学園」
札幌市で一番最初に「義務教育学校」となったのは「札幌市立義務教育学校福移学園」です。
「旧札幌市立福移小中学校」で小学生と中学生が一緒に学校生活を送っていたため他の小中学校に比べて移行しやすかったのかもしれないですね。
児童・生徒数100名、教員31名
1年生から9年生まで各1学級
各クラスの定員は原則20名
※特認校により、入学・転入には一定の条件があります
学習プログラムをみると「主体的」「自分らしく」「自己表現力」等、積極的な
「ICT」「AI」活用等の最新技術に基づいた学習だとわかります。
「主体性」「創造性」「問題解決力」「協働性」「自己決定力」「自己成長力」の6つをあげています。
健やかな体の育成も行っており、様々な取り組みをしている模様です。
小さな1年生から大きく成長した9年生(中3)まで、交流をはかれるのは他の学校と違い少し楽しそうですね。
福移学園のホームページも2023年4月に開校したはずなのにアクセスカウンターがすごく多く感じました。
やはり注目度が高いのでしょうね。
11月には第2回の学校見学会もあるようです。
札幌の義務教育学校開設予定
令和5年度開設の「義務教育学校福移学園」につづき、札幌市ではこれからも義務教育学校が増えていく予定です。
開設予定年度 | 現在の学校名 | 新しい学校名 |
令和5年度 | 札幌市立福移小学校、札幌市立福移中学校 | 札幌市立義務教育学校福移学園 |
令和7年度 | 札幌市立定山渓小学校、札幌市立定山渓中学校 | 未定 |
令和9年度 | 札幌市立真駒内桜山小学校、札幌市立真駒内中学校 | 未定 |
最短で令和9年度 | 札幌市立新札幌わかば小学校、札幌市立青葉中学校 | 未定 |
引用:札幌市
北海道では約20校程の義務教育学校があるようです。
少子化が続いており、小中学校の統廃合を機に今後も徐々に義務教育学校へと移行していくものと思われます。
小中連携・一貫教育はまだ研究過程
義務教育学校だけ、国の制度にのっとって最新の技術ちょっとズルイ感じがした保護者の皆様もいらっしゃることでしょう。
特別な感じはしますが、札幌市内ではパートナー校となっている小中学校もあり、様々な取り組みを行っており小中連携に関する実践研究中となっています。
確かに自分の子供の頃とは違い「たてわりグループ(学年バラバラのグループ)」があったり、卒業間近の小学6年生には中学校の先生が小学校に来て中学校について説明したり、見学日もあったりしますね。
また、自分の子どもの中学校で目安箱の様なものがあり、「女子は髪が長くても結ばない選択もほしい」と書いた子がいてO.K.になったという話を聞きました。
一昔前では、生徒の意見で校則が変わるなんて考えられない話でちょっと驚きました。
各自治体によっても違うのかもしれませんが、自分の子を見ていると当たり前ではありますが、昔とはずいぶんかわったなと感じております。
まとめ
義務教育学校の設置について気になったので調べてみました。
まだ、札幌では始まったばかりなのでメリット、デメリットがはっきりわからないものの少人数の学年でタテ割りのクラスがあり、色々な年代の子とかかわれるのは良いという印象です。
ただ、学校になじめない子もいることや9年もの間(転校等で)同じ学校に通えない子もいるということも念頭にいれてほしいです。
更に時代は昔から比べると人材流動性が高くキャリアチェンジしながら人生を歩んでいかなかなくてはいけないので、9年同じ環境がいいのかどうかも疑問はあります。
知らぬ間に学校教育も変わっているんだなぁと感心しました。
https://sapporokara.com/2020/07/07/daigakuiten/