病院整備が街づくりで存在感あり
札幌市内の再開発で「病院」の存在感が増しています。
かつての病院は駅からバスで数十分などアクセスの悪い場所に設置されていたこともめずらしくありませんでした。
でも、今や駅前などの利便性の高い立地に移転することが多くなってきました。
再開発地域で商業施設や住宅等を整備する際に病院を導入することで、街づくりに活用しているほか高齢化時代になってきているため需要があるという背景があります。
病院側としても駅に近いということで付加価値が向上し、持続的な病院経営ができるので駅近な場所に再開発があると移転という形をとるようです。
札幌市内でも規模の大きなマンションができれば、近くに病院やクリニックができることが多くなってきました。
自治体が都市機能の集約を狙っていることも大きな理由ですね。
また、医療用とだけでは活用しきれない広大な土地には病院機能のほかにウェルネスタウンとして、高齢者施設や高齢者向けのマンション等ができています。
札幌の再開発で病院やクリニックを建てた事例や今後の予定をみていきましょう。
病院整備が主体の新さっぽろ再開発
札幌市内の再開発で病院といえば、真っ先に思いつくのは新さっぽろの再開発です。
2022年7月3日に完成した「アクティブリンク」は、病院やクリニック、マンションを楕円の空中歩廊で接続させています。
1周160メートルあるアクティブリンクは、以下の建物が結ばれています。
「新さっぽろ脳神経外科病院」
「新札幌整形外科病院」
「新さっぽろ病院」
Dスクエア新さっぽろ内には医療モールがあります。
医療施設以外では、
2023年春にホテル「ラ・ジェント・スティ」が開業。
2023年11月には「BiVi新さっぽろ」が開業します。
地下鉄さっぽろ駅とJR新札幌駅とも接続予定です。
共用の駐車場があることでとても便利な場所となります。。
本当に素晴らしくキレイな楕円なんですよ🥰 pic.twitter.com/3br9cS98lQ
— しょーこ@札幌クリップ (@kotton105910) October 27, 2022
北4東6再開発
北4東6再開発ではサッポロファクトリーから空中歩廊で直結のマンションや北ガスアリーナ札幌46(札幌市中央体育館)ができました。
さらにその空中歩廊を進むと、シニア向け分譲マンション「イニシアグラン札幌イースト」があります。
マンション内には、クリニックモールがあり6つの科があります。
泌尿器科、リウマチ科、診療内科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科とどれも高齢者にはかかせない医療機関ばかりです。
車での来院に便利なように約400台の自走式駐車場がありますし、サッポロファクトリーも空中歩廊で約180mという近さです。
さらに創成イーストエリアは約10年で右肩あがりで人口が増加している場所なので、シニアのみならず周辺の方々も受診すると思われます。
北6東3にはカレス医療センター札幌病院
札幌駅北口から徒歩10分くらいの北6東3には、カレス医療センター札幌病院が新設される予定です。
2025年4月開院予定となっています。
全室個室、医療用ロボットやAIを積極的に活用する最新医療が受けられる病院となります。
引用:カレスサッポロ
2棟構成で、2棟の間はアトリウムとなる予定。
また病院だけではなくクリニックモールや地下駐車場もできるため、車で来院される方には特に便利になります。
札幌の中心部に近いことで、利便性と質の高い医療提供の両方を兼ね備えた医療センターとなる予定です。
まとめ
札幌市は都市計画の中で「持続可能なコンパクト・シティ」の構築を目指しています。
つまりは、市街地のスケールを小さく保ってコミュニティや住みやすいまちづくりを目指そうという意味なんです。
都市がコンパクトになり人口密度が高まると、行政サービスを効率よく提供できるようになるのも理由の一つです。
それには人が集まる場所の1つ「病院」や「クリニック」が大きな柱となるわけです。
病院としても人口減の中では競争力をつけていかなくてはいけないですね。
少子高齢化が進む社会の中ですから、今後の再開発でも病院やクリニックの誘致はコンパクトシティ化を進めるための魅力的な手法の一つとして増えていくのではないかと思われます。
https://sapporokara.com/2019/10/11/jinkou-3/