北海道新幹線の時間短縮への取り組み
北海道新幹線(新青森-新函館間)は、コロナ禍で2020年の利用者が過去10年で最低を記録してしまいました。
そんな中ではありましたが年末年始の5日間(12月31日~1月4日)期間限定で、青函トンネル(全長約54km)内のスピードをあげる走行試験が行われていました。
青函トンネルは通常時速160kmで走っていますが、今回の試験走行は210kmにひきあげられ実施されました。
貨物列車とすれ違わない時間帯に合わせて実施され、3分短縮することができ東京-新函館間を最短3時間58分と「4時間切り」を果たしたました。
開業当初は、約5時間30分かかっていたのですから1時間半以上短縮できているんですよ。
走行時間の短縮が容易にできない理由
北海道・東北新幹線の車両の最高速度は320キロで、実際東北新幹線の宇都宮~盛岡間は時速320kmで走行しています。
では、なぜ北海道新幹線でこれ以上速度をあげることができないのかというと貨物列車と同じ線路を共用としているためすれ違いにより風圧が生じるからといわれています。
貨物列車と共用の線路という新幹線は、例がないことですから少しずつ試験走行を重ねているんです。
すれ違いの貨物列車があるときは荷崩れなどが起きるのではないかということで最高速度を出せません。
安全性が確認された速度で走行試験が行われ東京~新函館北斗間の所要時間が念願の4時間切りとなりました。
では、貨物列車を無くすることはできないのかという話になりますが、鉄道貨物は北海道から本州への安定的な輸送手段であることから北海道にとっても輸送先にとってもなくすことはできないものです。
今後も貨物列車と新幹線の共用ができるように、少しずつ速度をあげて試験走行を繰り返す予定です。
引用:函館市公式観光情報
現在、2030年度末へ向けて札幌延伸に取り組んでいますが将来的には東京-札幌間は4時間半を目指しています。
単純計算でいくとでは函館北斗駅から札幌駅まで30分?!(@@;)
そう考えるとすごい速さということがわかりますね。
そしてその先は東京-札幌間を4時間切りを実現するとか・・
所要時間を短くするためには新車両だけでなく、線路の改良や風圧の測定、周辺環境への配慮など莫大な費用がかかるため全路線を最高速度というわけにはいかないんですね。
引用:北海道
第2青函トンネル構想
一般社団法人日本プロジェクト産業協議会があげているもので「第2青函トンネル構想」というものがあります。
青函トンネルを新幹線の専用にして、津軽海峡に新しいトンネルをつくったらどうかという案。
たしかに新幹線と貨物列車を別のトンネルで通せば可能ですよね。
また、自動車は自動運転という構想です。
自動運転により接触事故や走行時の安全性を確保したり、ドライバー不足の解消、本州への安定輸送が可能になるというものです。
引用:JAPIC 津軽海峡トンネルプロジェクト
財政面はともかく、専門家集団がいうことなので将来的には可能なことなんでしょうね。
なんだか壮大で斬新で面白いですよね。
興味のあるかたはリンクをのぞいてみてください。
今後推進すべきインフラプロジェクト~コロナかを超えて、国土発展のために~
未来はどうなる?!
今は新幹線用トンネル建設工事で出る土砂受け入れ先を募集している段階。
2020年12月現在でトンネルの掘削率は34.9%とのこと。
色々な問題をかかえながらも移動時間を短縮すべく、あと10年で札幌駅延伸となるよう動いています。
その後は、旭川まで延伸とありますがそこはまだあやふやなところ。
第2青函トンネル構想が実現すれば更なる時間短縮は可能ですが、それはかなり先の未来になりそうです。
高齢化や人口減少等様々な問題が降りかかってきますが、10年後、20年後がどのようになっているのか自分の目で見ることができるのかわかりませんが楽しみです。
時間短縮への第一弾、第二弾に注目していきたいです。