札幌貨物ターミナル駅に最先端物流施設
札幌市には白石区に「札幌貨物ターミナル駅」があります。
名称の通り貨物専用のターミナル駅で、東京の隅田川駅と本州各地、また北海道内各所の配送拠点です。
駅の面積はの55万8千平方キロメートルあり、札幌ドーム約10個分にあたる広さです。
取扱量は東京貨物ターミナルに次ぐ全国2位の規模なんです。
その札幌貨物ターミナル駅の中に札幌ドーム約1.6個分の広さを誇る巨大な物流施設【DPL札幌レールゲート】が2022年5月にオープンしています。
こちらの施設は大和ハウス工業と日本貨物鉄道が共同事業によりマルチテナント型物流施設として建設したものです。
貨物ターミナル駅内にあることで鉄道コンテナを利用して全国各地へスムーズに輸送ができるようになりました。
雪や雨の影響を受けずに荷物の積み下ろしもでき、2024年問題を解消すべくノウハウや最新テクノロジーを活かした施設なんですよ。
物流のトータルコストを削減、賃料コストの削減、更にはJR札幌駅から10km圏内に位置していることも利点です。
北海道のJR貨物鉄道が注目される理由
そのJR貨物列車が現在注目されている様です。
その理由は、物流の2024年問題があるからです。
人口減少によりこれから様々な職業で人手不足は増えていきますが、トラック運転手の不足は将来に向けてますます顕著になり、時間外労働についても制限されていきます。
奇しくもコロナの影響もあり、宅急便の需要が増えていくにもかかわらずです。
そんな時に、トラックを極力使わず安定的に輸送する手段として貨物列車が注目されています。
北海道にかかわらず全国的に貨物列車が注目されており、輸送量を増加させています。
鉄道輸送へシフトするニーズを取り込み「ブロックトレイン(企業等が借り上げて運行する貨物列車)」も増えているんです。
また、鉄道は排出する二酸化炭素を低減できることから「環境負荷が小さな輸送手段」であることも追い風となっています。
荷物の中身は美味しい食材
札幌貨物ターミナルと東京の隅田川駅をはじめ本州各地と行き来している荷物の中身は、北海道からは美味しい農産物が主な物です。
2024年元旦の北海道新聞にこんな広告がありました。
まさに美味しい物を運んでくれているのがJR北海道の貨物列車です。
北海道から本州へは、年間186万トン(主に玉ねぎ、ジャガイモ等の農産物)
本州から北海道へは 年間約191万トン(主に飲料、加工品、衣類など)
これは道内と本州と行き来する貨物の8%にあたるそうです。
本州の方には北海道の美味しい物を味わってほしいですし、北海道では採れないものや加工・流通があまりない物を運んできてくれるんですね。
まとめ
輸送をトラックから鉄道に切り替えられないかという問い合わせが増えているというお話をあげてみました。
北海道は農作物の宝庫ですし、航空機よりも輸送費が安価であれば販売価格も安くなりますからね。
貨物鉄道なら消費地に近い全国140か所の拠点を活用できます。
CO2排出量もトラックの約11分の1と謳っていますよ。
生活に欠かせない運送・物流業界は環境問題や慢性的な人手不足を補うために日々企業努力しているんですね。
物流の危機は私たちの生活に大きな影響を与えます。
その重要性を再認識して効率化をしていけば、私たちはより便利で豊かな生活を送ることができるはずです。