札幌のヒグマ出没区別でみると
例年4月に入ると冬眠から目覚めたクマの出没情報がニュースとなります。
北海道の55%の地域にはヒグマが住んでいるといわれており、札幌も例外ではありません。
札幌市の10区のうちヒグマの出没が確認されているのは、生息域である森林がある6区が主です。
6区とは中央区、豊平区、清田区、南区、西区、手稲区です。
そのうち広大な森林がある南区が札幌市全体のヒグマ出没の約6割を占めています。
とはいっても、南区の面積がダントツで大きいのでこれは致し方ない気もします。
そして最近の傾向としては、山に面していない北区や東区でもヒグマの出没が見られることです。
目撃されることなく川や用水路、夜のうちの市街地を抜けていったのかもしれません。
引用:札幌市(※平成23年は山の食物不足のため多い)
普段は山奥に住んでいてもクマが人里に降りてくる理由はたくさんあります。
1番は山でのエサとなるどんぐり等の不足、人間が要因とされているのは放置した果樹や廃棄農作物、生ごみ等です。
クマが迷ってしまって人里にでてくることもあります。
ヒグマは絶滅のおそれのある動物
ヒグマは生息数が少ないため環境省のレッドリストに「絶滅のおそれのある地域個体群」として掲載されています。
だけど人を襲うようなヒグマは、駆除されてしまいます。
かなり矛盾していますよね。
でも、なんとか絶滅危惧種であるヒグマと人間とを共存していかなければならず、札幌市は平成29年に、「さっぽろヒグマ基本計画」というものをつくりました。
ヒグマの特性を知って襲われないように知識を持ってルールに従って対応しようというものです。
侵入抑制で柵に電気を流したり、住民の間での情報共有、ごみステーション美化活動、入山する人への注意喚起や、空き缶や残飯などのごみ持ち帰りの呼びかけ等。
ヒグマは大きなオスだと体長約2メートル、体重150から400キロもあり国内において地上最大の野生動物ですから、人間は太刀打ちする術がありません。
逃げるものを追いかける習性があるとか、びっくりして人を襲うことがある等私たちが知ることで事故を避けられます。
札幌市は子供たちにも理解してもらえるように、子供版の「さっぽろヒグマ基本計画」も作成していますよ。
引用:さっぽろヒグマ基本計画
ヒグマの出没情報が多いのは夏
春になるとクマが動き出すからニュースになるというイメージがありますが、統計上は夏の方がクマの出没情報件数が多いようです。
ヒグマの出没情報は目撃したというだけではなく、足跡や畑を荒らされた、足跡を見つけた等の情報も含むからです。
夏の方が私たちがヒグマが住んでいる地域に行く機会が多いので、出没情報も多くなるとも考えられます。
札幌市では、家庭菜園用の電気柵の購入補助やクマ鈴の貸し出し等も行っています。
コロナ禍になってからもキャンプ等のアウトドアは人気がありますが、鈴をつけて歩くとか匂いの強い食べ物を持ち歩かない等、ルールを守ってクマに出会わないようにしましょう。
札幌市のヒグマ出没は「札幌市ヒグマ出没情報」で地図も共有されています。