札幌都心部の地下空間拡大の理由
札幌の地下通路は、南北に約1.7キロ、東西に約1.2キロに及びます。
地下空間が拡大していく理由は、やはり冬場に雪が降るというのが大きな理由です。
冬を快適に過ごし、且つにぎわいを創出する札幌中心部の地下空間の形成は札幌市にはもうなくてはないものとなっています。
地下街直結にするビル内の商業施設やホテルは売り上げが伸び、足元が悪い冬場は特に大勢の人でにぎわいます。
都心にある商業施設等に行くには地下街を通れば、信号で止まることなく進めて快適です。
もちろんバリアフリーのため身障者の方やベビーカーにも優しい造りになっています。
少し歩くと憩いの場が点在しており高齢者にもやさしい地下空間となっています。
札幌駅周辺地下通路
札幌駅前商業施設
札幌駅周辺では、1952年から札幌駅前の商業施設アピアの前身である「札幌ステーションデパート」が始まりです。
札幌駅南口再開発が行われた1999年に地下が大改装されてほぼ現在の形ができあがりました。
札幌駅前はその後2003年にJRタワーができ、地下空間も大きくなりました。
2022年の9月にパセオ閉店、2023年8月にはエスタも閉店ということで札幌駅前の地下通路も少しずつ変わってくる予定です。
北8西1再開発
また、札幌駅北口側の北8西1では、タワーマンションや劇場・ホテル等が建設中です。
「ONE札幌ステーションタワー」は札幌駅まで徒歩1分、地上48階地下2階建623戸のタワーマンションです。
大変な人気で道内外を問わず注目しているマンションです。
北8西1と直結する通路を現在建設中です。
2023年12月には開通予定となっています。
引用:ONE札幌ステーションタワー
北4西3西武デパート跡地
北4西3西武跡地にできる仮称ヨドバシタワーでは、新ビルの中心部分と
北5条通り・手稲通に地下の新通路ができる予定。
コの字型に通路ができれば、朝夕のラッシュ時の混雑は緩和されそう。
エスタの建て替えがあるので、新しいビルができた時には東豊線さっぽろ駅までつながるかもしれないですね。
仮称ヨドバシタワーは、いまのところ2028年竣工予定。
南北線さっぽろ駅
南北線さっぽろ駅のホームが2028年には増設される予定です。
現在、ホームが一つのため麻生行も真駒内行の両方の乗客が出入りし、かなり混雑しています。
現在のホームを麻生行に使用し、新しく造るホームを真駒内行として使用します。
JRに近い北側には階段しかないので大きな荷物を抱えた旅行客が移動に苦労する姿がみられます。
エスカレーターを新設することで観光客や高齢者に配慮する模様。
大通駅・すすきの駅周辺地下通路
チ・カ・ホと地下街の直結で人流変化
大通駅には1971年に南北線の整備が行われ大通駅とすすきの駅をつなぐ「地下街ポールタウン」と大通駅とテレビ塔を結ぶ「地下街オーロラタウン」がオープン。
札幌駅と大通駅の地下を結ぶためにできた札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)ができたのは、2011年になります。
札幌駅から大通駅までの520メートルにわたる地下歩行空間ができたことにより、人の流れが大きく変わったのは周知のことです。
南2西3サンデパート跡地再開発
現在建設中の狸小路と札幌駅前通りの交差している場所で行われている南2西3サンデパート跡地再開発。
地下街ポールタウンと直結し、広場などを配置して交流空間を作りながら地下と接続する模様です。
都市型水族館「AOAO SAPPORO」が入る「モユクサッポロ」は、2023年夏にオープン予定です。
引用:札幌市
すすきの再開発
ラフィラ跡にできる商業施設は、地下2階との接続部分にエントランスホールができます。
地下2階と地下1階は吹き抜けになるようです。
南2西3の再開発と同様で、2,3階には緑あふれる広場を設けるそうですよ。
札幌市
まとめ
札幌都心部のあちらこちらで再開発が行われており、その計画にともなって地下空間も拡大しています。
地下通路ができれば、利便性がよくなり回遊性向上につながります。
現在、札幌都心で行われている再開発はほとんどが、地下通路と直結している案件ばかりということになりますね。
南北に約1.7キロ、東西に約1.2キロですが、今現在工事中や延伸予定の場所もありこれからも拡大していく予定です。
公的機関と民間企業とが連携して地下ネットワークを広げていくことにより、再開発に一層弾みがつくことを期待します。
写真:2019年3月オープンの「ミナパ」