札幌市内の建物の「赤い星」の意味
札幌の建物に「赤い星」が至る所にあるのはご存知でしょうか。
これは1870年代から1880年代にかけて、北海道開拓使のシンボルとして建物に描かれているものなんです。
「赤い星」は五稜星とよばれ、北極星をモチーフとした開拓使のシンボルです。
開拓使を象徴するマークとして庁舎や製造品に使われていました。
この札幌の星型、どこかで見たことがあるなと思った方は多いと思います。
サッポロビールの缶や瓶に使われているマークですよね。
これは、ご存知の様にゴールドの星です。
引用:サッポロビール
サッポロビールが、2003年に再編し新サッポロビール社となったのを機に、2004年からコーポレートマークとして使用されはじめたものなんです。
「サッポロシャイニングスター」は輝くゴールドの星として、今はサッポロビールの見慣れたマークとなっています。
実はこのゴールドの星マーク以前は、赤い星が使われていたんです。
そのまま残っているのは、「サッポロラガービール」のラベル。
こちらは、赤星ですよね。
※ラガー=「貯蔵工程で熟成させたビール」
サッポロビール博物館
というわけで、サッポロビール博物館は開拓使の関連施設なので赤い星がついているんですよ。
写真でわかるだけでも赤い星が4つありますね。
サッポロビール博物館の建物をみつつ、サッポロビール園でジンギスカンとビールをいただく散歩コースもいいですね。
札幌市民であれば、近くのアリオ札幌で買い物しつつ建物を眺めてみるのもありです。
札幌市時計台
札幌の観光名所といえばすぐにあがるのが札幌時計台。
開拓使の象徴ですから、もちろんここにも赤い星がついていますよ。
時計台だけで赤い星は17個あるそうです。
周りをぐるりと周って探してみるのも楽しいかも。
17個すべて見つけられるか、一緒に数えてみるのもいいですね。
北海道庁旧赤レンガ本庁舎
旧北海道庁赤レンガ庁舎も観光名所としては有名な場所です。
札幌市民であれば、駅前通りを歩けば見えてきますし市内の小学生は写生会の対象にもなったりして知名度もあります。
ここにも赤い星がありますよ。
レンガ造りで重厚感のある風格は、明治21年(1888年)に建てられた建物ですが、当時は国内有数の大建築物だったそうです。
レンガは約250万個使用されているといわれています。
重要文化財の指定を受けています。
季節によって様々な顔をみせてくれるのも赤レンガ庁舎の魅力の一つです。
豊平館(ほうへいかん)
中島公園内にある豊平館(ほうへいかん)は、北海道開拓使が建てたホテルで、明治政府が建てた唯一のホテルなんだそうです。
元々は札幌テレビ塔のすぐ横にある市民ホールのある一角にあり、前庭は大きくテレビ塔あたりまで広がっていたようです。
移築されなければ、今なら時計台と共に街中にある良い観光名所となっていたかもしれないですね。
でも、中島公園にある豊平館も周りの緑に囲まれ静かな佇まいで素敵です。
清華亭
清華亭は赤い星ではありませんが、入口上が星型でくりぬかれています。
この写真はたまたまですが、陽があたり影が星型になっていてかわいいですよね。
星型になった理由
どうして星型になったのかは、函館の五稜郭がヒントになったといわれている説もあります。
提案した蛯子末次郎氏が船乗りであったため、道しるべとしていた北極星と恩師が設計した五稜郭からヒントを得て星型になったといわれています。
その後に、北海道章として7500点のデザイン案の中から選ばれたのが、七光星なんですって。
開拓使時代のは旗章イメージを現代的に表現して北海道の未来を象徴したものなんだそうです。
北海道章をまじまじと見たことはなかったのですが、こういったつながりがわかると面白いです。
今では、星型が北海道を連想させるマークとして道民の間にも定着してきていると思います。
北海道開拓使にゆかりのある建物で歴史を感じながら、赤い星を探して歩くのも楽しいかもしれませんね。