札幌駅周辺で新交通システムを検討中
札幌駅前再開発や新幹線札幌駅は2030年頃に向けて順次完成予定ですが、新しい公共交通システムも計画しています。
札幌市は、新幹線札幌駅が創成川を越えた場所にできる予定のため駅の東側へも人の流れをつくりたいと考えています。
創成川にデッキをかける予定もありますが、それ以外でもなんとか東側に賑わいを創出したいという考えがあるようです。
更に苗穂駅周辺も再開発がすすんでいることから、まずはその地域での社会的実験運行となる模様です。

引用:札幌市 街区再整備基本的な考え方
バス路線廃止やタクシー運転手の高齢化・人口減少による人員不足等が問題になっていることもあります。
更には若者の車離れ、自動車の排気ガスが及ぼす大気汚染についても環境問題になっていることから車から人中心への街づくりがおこなわれています。
そういった背景もあり、人と環境にやさしい交通機関を検討しているものと思われます。
札幌駅から苗穂駅の間には、再開発でできるホテルやマンション、これから大型病院もできますし、サッポロビール園や北ガスアリーナ札幌46、アリオ、サッポロファクトリーと商業施設もあります。
また、観光客にも利用してもらうようにすると慣れない場所に歩いていかなくても目的地に着けるので便利なのではないでしょうか。
歩けない距離ではないけれど、土地勘のない人や高齢者だと歩けない方も多いこの距離感で試行運転にはちょうどいいかもしれないですね。

写真:札幌市電
札幌駅周辺の新交通システムとは
札幌駅前から苗穂駅周辺までのデマンド公共交通システムの社会実験を2023年に準備し、2024年・2025年には公道を走らせる交通社会実験を行う予定です。
札幌市は2022年夏頃には路面電車の延伸を検討していましたが採算性が課題になり没となりました。
おそらくその路面電車を検討していた区間に新交通システムが導入されるものと思われます。
ただ、固定経路を周るのではなく、利用者の希望に応じてAIで移動経路を決めるデマンド交通システムを検討中とのこと。
まだ車両の大きさや種類や決まっていませんが、走行中にCO2を出さない水素車両の導入を視野にいれてる模様。
また環境性やバリアフリー等、次世代型路面電車(LRT)の利点も活かしたいとしています。
これから交通事業者、道警、道路管理者等の関係機関と協議も必要となります。

引用:札幌市総合交通計画より抜粋
新交通システム「チョイソコていね」
札幌市は、バス路線廃止によりその地域の住民の足を確保するため、新しい試みもしています。
手稲区ではバス路線廃止の代わりに予約制乗り合いタクシー新交通「チョイソコていね」が試験運行中です。
「チョイソコていね」は、決まった路線や時刻表はなくインターネットや電話で自分の乗降場所を指定して予約して他の方とタクシーを乗り合いするものです。
会員登録して乗車申込すると乗り合いされる方の予定を見て、時間指定をしてくれます。

乗降場所は全部で40か所あり、看板が貼ってあります。

実施期間:令和4年(2022年)11月21日(月)~令和5年(2023年)3月31日(金)
最大約2年間実証運行継続予定です。
利用状況を踏まえて本格運行への移行を検討します。
引用:札幌市
このように札幌の中心部以外でも実証実験を行い、札幌市民の交通網の確保をするのと同時に、新交通システムのノウハウの蓄積にも力をいれているようです。
地域特性に応じた拠点の街づくりを札幌市は目指しているんですね。
まとめ
札幌中心部の交通機関はJRと地下鉄が主体ですが、郊外ではバスや車でなければいけないところもたくさんあります。
今後できるであろう札幌駅前の新交通システムや現在行われている「チョイソコていね」のような乗り物の実証実験を重ねて、廃止となっているバス路線や赤字となっているJRや市電の代わりになる交通機関ができるかもしれません。
高齢化・人口減少による担い手や利用者の減少は、このような乗り物の採算性にも影響してくるものなんですね。
札幌は積雪時運行の定時制が確保できない問題もあり、難しいところもあるかもしれませんが、交通結節点である札幌駅前の新交通システムの実証実験は期待して注目していきたいです。