札幌ドームがネーミングライツを募集予定
札幌ドームのネーミングライツが2023年度から募集される模様です。
札幌市が発表した札幌ドームの2023~27年度の収支試算は、2023年3月から日本ハムが新たな本拠地に移転するにもかかわらず数年後には黒字に転換する見込みとなっています。
黒字化の実現性について、疑問の声が上がっているところにこのネーミングライツの話がでてきました。
札幌ドーム側としては日本ハムが移転することを受けて、このネーミングライツで安定収入につなげたい考えでしょう。
ただ、札幌ドームのネーミングライツは過去にも検討されています。
札幌市が2010年に年間5億円・5年以上の契約を条件にスポンサー企業を募集しましたが、命名権料の高さなどから売却先は決まりませんでした。
北海道企業で地域に根付いている企業は限られます。
今回も安価な金額にならないでしょうからまた苦戦をしいられるのではないでしょうか。
札幌ドームの経営は赤字経常化
札幌ドームは2001年6月に開業しました。
ご存じのように日本ハムの試合が札幌ドーム経営の根幹となっていました。
今後、年間約60試合前後行われていた野球の試合がすべてなくなり、試算では日本ハム移転後は売上高が5割減になるとのこと。
札幌市がまとめた2023年度からの収支見通しでは、27年度までの5年合計で最終損益が900万円の黒字になっていました。
コンサートなどを増やして年間のイベント日数を増やしていく強気な見通しです。
ただコンサートも札幌ドームを使用すると約5万3000席となり、キャパとしては大きすぎるんです💦
運営側としては、真駒内セキスイハイムスタジアム(17,324席)や北海きたえーる(10,000席)等で、数日にわけてコンサートを行う方が採算がとれるわけです。
だから、あまり使用されないです💦
マーケティング不足ですよね。

また、日本ハムが生み出していた1番多い収益は、ドーム内の広告です。
このような広告は野球が露出効果のあるスポーツで大衆文化であるからこそ可能だった広告益ですよね。
サッカーやバスケでは到底得ることのできない広告益だと思うんです。
命名権の売却により減収幅を縮小したい考えだろうとは思いますが、本当にこれだけで黒字化するかは疑問がわきます。
広告益も今まで通りにはいかず減収していくと思いますし、これがどのように数値にでてくるかですね。

ネーミングライツとは
ネーミングライツとは簡単にいうと「公共施設の名前を付与する命名権と、付帯する諸権利のこと」
具体的にいうと、スポーツ施設などの名前に企業名や社名ブランドをつけることであり、公共施設の命名権を企業が買うビジネスです。
「福岡ペイペイドーム」「味の素スタジアム」「京セラドーム大阪」「ベルーナドーム」等がありますね。
札幌であれば
「真駒内セキスイハイムアイスアリーナ」「真駒内セキスイハイムスタジアム」もそうです。
市民会館も2015年から「わくわくホリデーホール」(太陽グループ系列)でしたが、2019年に「カナモトホール」へ愛称が変更になりましたね。
ドームやスタジアムに企業名が入ることにより、さりげない宣伝効果でアピールすることができるんです。
ネーミングライツをしていることにより地域貢献ととらえられ、企業のイメージアップにつながるということにもなります。
だから今後は「ニトリドーム」とか「ホクレンドーム」等になる可能性があるということです。
「ネーミングライツ」を少しわかっていただけたでしょうか。

まとめ
日本ハムファイターズのファイナルゲームは2022年9月28日(金)となっています。
https://www.fighters.co.jp/expansion/2022/finalgames/
2002年のサッカー日韓W杯の開催などを見越して建設された札幌ドームですが、運営は札幌市の第三セクター「株式会社札幌ドーム」が行っています。
日本ハムからは使用料金のほか、広告、グッズ販売、飲食などドーム内での売り上げの一部も入る契約となっていたため、年間20億円超とも言われています。
日ハム側は値下げ収入の分配額変更などを求めましたが、札幌市は逆に値上げを実施したことで、本拠地が変わる事態になりました。
色々あった中で、日ハムとの交渉がうまくいかなかった札幌ドーム。
減収しつづけ、税金投入で穴埋めとなったら元も子もありません。
今後の札幌ドームの運営に注目があつまります。