札幌-その他

消えゆく札幌の歩道橋 周辺環境の変化に対応が理由

横断歩道橋の撤去が相次ぐ

札幌市内にある横断歩道橋が少なくなっていることをご存知でしょうか。

歩道橋はこれまで交通安全に大きく貢献してきました。

2002年に警察庁が「歩車分離式信号に関する指針」を出したことで、歩行者と車両を分けた信号の設置が進み横断歩道が増え、歩道橋の必要性が少しずつなくなってきました。

信号

引用:JAF 歩車分離信号における歩行者の動き

札幌市内にある歩道橋(札幌市管理のもの)は約40橋あり大部分は50年程経過しているものが多く、老朽化や周辺環境の変化によって不必要なものが増えてきています。

更新時期を迎えた橋が、修繕で強固なものになり利用されている面もありますが、地元の方の要請で更新時期を迎える前に撤去した横断歩道橋もあるようです。

少子化の影響で小学校が統廃合され通学路が変わっていたり、高齢化社会によって階段の上り下りをする人の割合が減ってきたことにより、利用する人が減ってきたんですね。



札幌市の主な歩道橋

中島公園にあるパークホテル前にあった歩道橋(南10西3)は2020年10月に撤去されました。

歩道橋を利用していた方やいつも見ていた風景が変わることで、残念に思う方も少なくないようです。


札幌パークホテルは2023年に「ヒルトン札幌パークホテル」と改め開業予定で中島公園駅直結となるMICE施設が建設予定です。

周辺には、同じくハイグレードなホテルやオフィス機能を備えた複合ビルが計画されています。

利用者の減少や周辺環境が変わることで撤去された模様です。

ヒルトン札幌パークホテル開業は2023年予定、中島公園にハイグレードホテルが集結か※この再開発計画は2021年1月に白紙となりました ヒルトン札幌パークホテル開業は2023年 札幌市は、中島公園にあるパークホテルの...

菊水駅近くにある菊水円形歩道橋は、南郷通、菊水旭山公園通、道道526号などの6本の道路が交差する所にある歩道橋です。

日本で1番初めにできた円形歩道橋といわれています。

札幌市の歩道橋の中でもかなり大きく直径28m、一周回ると180m弱の大きさです。

人と車が安全に通行するためには必要不可欠な歩道橋ですが、1971年にできたもので老朽化が進んでおりただいま工事中です。

2019年から舗装・塗装、照明灯の更新、橋脚基礎コンクリートの補修などを実施しています。

2022年には完了予定です。

札幌市の歩道橋の撤去についての考え方

札幌市では、「歩道橋の撤去に対する考え方」として検討協議した概要や撤去後の交通安全対策についてを公開しています。

撤去して横断歩道を造って終わりというわけではなく、橋があった場合となかった場合で事故の状況等をきちんと比較して対策しています。



自分の経験から言うと横断歩道が周辺になく歩道橋がある場合、とても遠いところにあって面倒になったことがあります・・

ただ、歩道橋がある場所は交通の難所といえる場所なので致し方ない部分もありますね。

どうしても必要となる場所もあるはずです。

そういった場合は補強工事をしたり、修繕したりして歩道橋を保っています。

歩道橋を撤去することにより道路の幅が広がり、周辺の景観がよくなることや歩行空間が広がること、除雪した雪を置くスペースが増えること等のメリットもあがっています。

すべての歩道橋を撤去するわけではないですが、札幌市としては管理する歩道橋を減少させていく方向にあるようです。

何度も通っている道なのに何か違うと思った場合、もしかすると歩道橋の撤去で少し景色が変わっているせいかもしれないですね。