旧厚生年金会館(ニトリ文化ホール)が解体中
「さっぽろの芸術文化の館」と言われていた旧厚生年金会館(ニトリ文化ホール)が解体中です。

写真:2020年10月9日撮影
大型建物の解体工事は、中心部では最大規模となります。
工期も2年間程度を予定しています。(解体は2022年3月までの予定)
敷地は1.1ヘクタールもあり、解体後の活用策が注目されていますがまだ正式決定はないようです。
芸文館が担っていた芸術文化の役割のうちクラッシック音楽にかかわるものは中島公園のKitaraが継承する様ですが、現在はKitaraは改修工事中で、2021年6月末までかかる予定です。
北1西1に札幌文化劇場(愛称:hitaru)が2018年11月に開館したこともあり、ほとんどはそちらの施設に継承していくものと思われます。
建物の老朽化も重なり解体となりました。
大きい建物ですから解体の様子は大迫力でしょうね。(この日は重機は止まっていました)
2018年に閉館してから解体前までも存在感を放っていた建物だけに、なんだかキュンと心が痛みました。
「47年間、お疲れ様でした」と思いながら解体の様子を撮影しました。

写真:2020年10月9日
施設名称が何度も変わっているのはなぜか
1971年にできた時は、北海道厚生年金会館として開館しました。
札幌市内の他のビルと同様で、札幌冬季オリンピックの開催にあわせて建築されたものです。
地下1階、地上8階建てで客室数が120室あるホテルと客席数2300席のホールがあり、札幌の芸術文化の発信拠点となっていました。
2005年に年金・健康保険制度改革の一環として一般競争入札が決まり2008年には札幌市が取得。
「さっぽろ芸文館」と改称した時は、札幌商工会議所が運営していたんですよ。
その後、2010年にネーミングライツ(命名権)が導入されて「ニトリ文化ホール」となりました。
何度も名称が変わっているのは、持ち主や運営管理をする側が変わったりネーミングライツによるものだったんですね。
2018年8月にホテル部門の営業が終了し、9月末には閉館しました。
札幌市民にとても愛されていた施設ですから解体を反対したり、存続希望の会等が存在しました。
解体を決まった後にも床板を加工してコースターにしたり板そのままという販売もあったようですよ。

札幌でコンサートといえば「厚生年金会館」というのが定番の時代を経てきた私にとっても懐かしい場所です。
厚生年金会館(ニトリ文化ホール)をコンサートをした有名なアーティストをあげれば、
美空ひばり、山口百恵、五木ひろし、松山千春、中島みゆき、徳永英明、1990年代に入るとSMAPや米米クラブ、2000年代には平井堅、氷川きよし、中島美嘉も使用しているホールです。
思い出のある方も多いと思います。

撮影:2018年
跡地利用について
解体後の活用策は、未だ決定はしていないようです。
利活用の候補としては、MICE施設や札幌博物館の案がでているようです。
中島公園隣接地に大規模MICE施設をつくる話がすすんでいますが、ニトリ文化ホール跡地は中規模のMICE施設という計画です。
北1西12周辺は、札幌高等裁判所や簡易裁判所、第二合同庁舎や教育文化会館と札幌市の建物が多い地域です。
ロイトンホテルや札幌プリンスホテルもあることから、展示会や学会も行われていた実績もあり集客交流施設を検討している模様。
札幌博物館という案もでていました。
札幌市は2019年12月から2020年3月にかけてサウンディング型市場調査を行っておりますが、正式な結果の公表はまだしていないようです。
いづれにしても集客交流施設となるわけですから、これからのコロナ対策を見据えての施設となっていくのではないかと予想します。
民間事業者との対話も踏まえて進めていくようです。
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