オフィスビル建設が加速するための制度
札幌市はオフィスビル建設促進補助制度を創設し4月から受付を開始しました。
札幌市内は賃貸オフィスの需要があるものの不足が続いています。
札幌市としては新規進出企業や市内企業の拡大に欠かせないオフィスビルの不足を懸念しており、ビル新築や建て替えを計画する事業者に対して補助することとしました。
対象期間
・令和2年(2020 年)4月1日から令和5年(2023 年)3月 31 日までの間に工事契約を締結するもの
・工事契約から5年以内に竣工するもの
その他にも、 「札幌市立地適正化計画における都市機能誘導区域(都心)であること」や
「1フロア当たりの面積は賃貸用オフィス部分が660㎡以上」等の条件があります。
新規進出や事業拡大の企業を補助して、オフィスビル誘導につなげる考えです。
いままでも企業立地を促進するためにコールセンターやバックオフィス、工場やICT等の支援補助を行い誘導してきました。
ただ、誘致するオフィス自体が少なくなってきたため今回の補助金制度がはじまりました。
札幌市が企業誘致に力を入れる理由
札幌市が企業誘致に力をいれるのは、市内の生産年齢人口(15歳から65歳)が減っていくからです。
生産年齢人口が減るということは、働き手が減るということですから生産も減るということになります。
流通経済が縮小してしまうのです。
日本国内すべての地域でいえることですが、65歳以上の生産年齢以外の人口は膨らみ続けますので、その人たちを少ない働き手で支えなければならない事態になります。
この人口逆ピラミッド減少は、もうどうすることもできません。
そこで企業の進出により雇用を増やそう → オフィスを建設してほしい → オフィス建設に助成金
という流れになっています。

札幌市内のオフィスビル建設について
直近の札幌市内の大型オフィスビルをみていきます。
2018年5月竣工 「さっぽろ創世スクエア」
2019年3月竣工 「創成イーストビル」
2019年4月竣工 「南大通りビルN1」
2020年4月竣工 「大同生命札幌ビル」
オフィスビル建設はあるもののすぐにテナントが決まり、数値としては一時的なものになっています。
以前として移転集約の受け皿となる高スペックなビルは足りていない様です。
札幌市は「企業進出総合ナビ」というサイトで、札幌市の魅力やビジネス環境、優遇措置と物件情報等もあげています。
今の札幌はオフィスビル建設よりホテル建設の風潮があります。
今後のビルの建て替えには、低層階に商業施設、中層から高層階にホテルかマンションというビルが多くを占めています。
札幌市は、オフィスビルよりもホテルの方が長期的に稼ぎ続けることができると考えられていたからです。
この助成制度により、オフィスビルが増え参入してくる企業が増えれば札幌市の思惑通りとなります。
まとめ
企業進出ナビの物件情報を見てみると、札幌の中心部以外の場所が多く確かに魅力には欠けています。
今回の、オフィスビル建設助成は札幌中心部なだけに新たなランドマークとなる様なオフィスビルが期待できます。
札幌駅前再開発や北4西3西武跡地の再開発は「商業施設+ホテル」の予定。
北4西3は「商業施設+中層階にオフィス+高層階にホテル」の予定
大通方面は、狸小路3丁目の再開発は「商業施設+分譲マンション」です。
札幌駅前通りヒューリックビル建て替えはオフィスビルにはなると思いますが、規模はそれほど大きくないハズ。
私の勝手な予想ですが、北海道新聞社がバスセンター前に移転することにより古い周辺ビルの建て替えがオフィスビルへと加速するのではないかと考えています。
札幌への新規進出もいいですが、個人的には市内の企業も頑張ってほしいなぁと思っています。
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