札幌市の人口は減少?増加?
札幌市の人口は年々増えていましたが、全国的に少子高齢化が進んでいる影響もあり減少期に入ってきました。
現在の札幌市の人口は、「1,969,619人」(2019年9月1日現在)と、20万人まで約3万人あまりとなっています。
自然増(出生)より自然減(死亡)の方が多いので、人口の減少はしているのですが注目すべきは社会増減です。
札幌市ではここ10年あまりは転出よりも転入が多く続いており、人口が伸びつづけているんです。

※札幌市の「人口動態」の数値より作成
自然増減(死亡人数と出生人数の増減)は、毎年マイナスが続いておりこれからしばらくはマイナス要素が強いです。
この転入数が多いことで、人口が増え続けていたんですね。
札幌市の予測としては人口減少ですが、転入増が続くと5,6年で20万人に達する計算になります。
札幌市への転入者とは高齢者
札幌市に転入してくるのは、60代から80代の高齢者が全国でダントツの1位なんです。
それは、北海道内では多くの地域で病院経営が難しくなっており、多くの北海道内の地方病院が札幌市への開設を進めているためです。
病院が増えれば、介護施設が増える。
高齢者も安心を求めるため北海道の各地から札幌へ転入してきます。
実際、札幌市のデータによれば病院(小児科、内科、外科等は除く)がある場所の近くに介護施設があります。
MAPによると中央区・北区等の札幌中心部に多く高齢者の方もその周辺にお住いの方が多いようです。

2019年は9月現在の社会増はですでに、昨年の総数を超えている模様です。
自然減はするけど社会増のスピードが速いことで人口は増え続けるのかもしれません。

人口減少の問題点と対策
一方で若者の転出が問題となっています。
札幌市の秋元市長と北海道の鈴木知事が対談した際も、若者の道外転出についてが問題定義されたそうです。
人口減少対策として、若者の道内定着やIターン、Uターンなどタイアップ強化を要請しました。
東京駅近くに「札幌UIターン就職センター」を設置しています。
また、食と観光についてのPR強化や、札幌市のさまざまな場面を活用して、ポテンシャルを訴えていくとしました。
それだけで、若者の人口増につながっていくのかはわかりませんが札幌市や北海道全体としても課題となっているということですね。
転入増で人口アップのトップ3都市
東京都の次は札幌市、その次は福岡市と言われています。
福岡市と札幌市は共通点が多いため比較されることが多いのですが、福岡市の転入は札幌市とは逆で若い人が占めています。
その理由は市内に学生数1万人を超える大学が複数あることや、コールセンターやゲームソフト開発等の若者中心の職場が多いことがあげられます。
札幌市は土地が他の県に比べると安価であることや助成金等の影響でコールセンターが増えており、若い女性の人口増はあるようです。
でも、それが仕事の「定着」には結びついているかどうかはさだかではないです。
福岡市との共通点はサービス産業が多いこと・観光の玄関口であることが大きな特徴です。
両市とも医療・介護・商業・コールセンター等の第三次産業の昼津は95%前後にもなるそうですよ。
でも、高齢化が進む札幌市と若返りが進む福岡市を比較すると、どうしても労働力という点では将来的には不安が膨らみます。
高齢者の転入はいいことかもしれませんが、全人口の若返りを考えていかないと将来的に労働力としてのバランスが難しいことになってしまうと予想されます。
まとめ
2019年春に着工した新さっぽろの再開発は、福岡の人口増の例と同様で大規模な病院と大学がメインです。
札幌の中心部である札幌駅より、北海道の玄関口である新千歳空港に近く海外・道外からも来やすいことで注目されています。
「医療ツーリズム」(医療目的で他国へ渡航すること)を目的にはしていますが、こちらはインバウンド狙いのためまだどうなるかは不透明です。
観光客は増えるけど、人出が足りないので無人ホテルが増える。
お年寄りが増えて病院や介護施設は増えるけど、人出が足りないから外国人が労働者としてやってくる。
これがベストなのかどうかはわかりませんが、札幌市の将来の労働力が不安視されます。

