北4西3再開発、準備組合立ち上げへ
JR札幌駅南口の北4西3地区の地権者が、今年の5月にも街区の一体開発を目指した再開発準備組合を立ち上げることがわかりました。
ヨドバシカメラや北海道建設会館等の全16地権者が参加し、札幌駅前一等地の再開発に向けて動き出します。
札幌駅の南口と駅前通に面した北4西3街区の敷地面積は約1ha。
旧札幌西武跡地の約6300m²はヨドバシカメラが保有している土地です。
北海道建設会館、札幌駅前合同ビル、交洋駅前ビル、成友ビル、aune札幌駅前ビルの5ビルがある場所です。

かつての北4西3街区、現在までの歴史
北4西3には、かつて五番館西武がありました。

一等地でありながら、しばらく活用されていなかった北4西3西武跡地については理由があります。
2009年9月に閉店した旧札幌西武の跡地は、2011年1月にヨドバシカメラが建物と合わせて取得し建物は解体し、暫定として一部を駐車場として使用していました。
ヨドバシカメラが土地を取得した当初は、自社店舗やホテルを併設する複合ビルの建設を検討していましたが、札幌市がヨドバシカメラの単独開発で渋滞の影響等を懸念しており、一体再開発の協力をよびかけていました。
一体再開発すれば地下に大型の駐車場を整備でき、路上で駐車場の空きを待つ買い物客の車による渋滞を防ぐ効果が期待できるからです。
ところが奇しくもその翌月2011年3月11日に東日本大震災が発生しました。
なんとその翌日の2011年3月12日に札幌駅前地下歩行空間(チ・カ・ホ)が開通しましたが、開通イベント等は自粛。
建設費等の高騰で、再開発の話はいつのまにか消え失せてしまいました。
しばらく更地の状態が続き、2016年になってからヨドバシカメラが、札幌市なども関わる再開発事業として建て替えを検討すると発表しました。
再開発の検討期間中に、期間限定として「コバルドオリ」という北海道内のチャレンジ店舗などで活用中です。
札幌市の対応と検討案
札幌市は2017年2月に、北4西3全体の再開発を視野に、ヨドバシや北海道建設会館などの地権者と検討会を設立し意向を聞いています。
その時の検討案としては以下の2点があげられています。
検討案①
土地利用規制を緩和して30階超のビルを建てる
低層にヨドバシ店舗、中高層にオフィス、最上部はホテル
検討案②
先に小規模のビルを造って北4西3内の企業や店舗を優先転居させた上で、既存ビルを解体し
メインのビルを30階以下で建てる
上記の2案があがっています。
まとめ
まちづくり方針に沿った都心の開発に対し、札幌市は4月から容積率を緩和する制度の運用を始めます。
容積率を緩和することにより、最大で延べ10万㎡を超える高層ビルの建設が可能になります。
一般的な再開発の手法を参考にすると、都市計画手続きに2、3年かかるそうです。
高さ100mを超えた場合は3年程度の環境影響評価が求められます。
そのことから、着工は2022年から2023年、設計や施工を考慮すると1番早くても2027年から2028年になる模様です。
北海道新幹線札幌駅が2030年ですから、それまでには間に合いそうです。
10年余りの間で紆余曲折があり、やっと札幌駅前再開発の要となる北4西3街区が動き出します。

