札幌都心から新千歳空港までのアクセス道路
2030年度末の北海道新幹線札幌延伸に向けて、札幌市内は再開発が加速中です。
課題になっていることの1つに、新千歳空港から札幌駅へのアクセスについての問題があります。
新千歳空港からはJRの他に、自動車やバスでの移動となりますが、渋滞や一般道の割合が多いため時間がよめません。
現在、新千歳空港から札幌駅に向かった場合、札幌駅に一番近い札幌北ICで計算した場合
「高速道路54.4km+一般道路4.6km(合計59km)」となります。
ICの料金所の渋滞、また一般道は道幅が狭い箇所があったり信号交差点が多いという問題があり、慢性的に渋滞が発生しています。
死傷事故も多く発生しており、早急な対策が必要となります。
そのため、直通のアクセス道路を新たに作ろうという動きがあります。
3つの案
新たなアクセス道路には3つの案があがっています。
・「高架構造」-景観・日照・騒音問題、積雪の影響大、地下構造に比べ安価
・「地下構造」-事業費が高価、河川や地下埋蔵物の移設が発生
・「現道活用(交差点改良)」-安価だが混雑緩和の速効性はなし
すべてにおいてメリット・デメリットがあるため、区間によって3案を組み合わせて活用する予定となっています。
※まだ現在の案であって確定ではありません
都心と高速道路の距離が最も遠い札幌市
札幌市は、人口100万人以上の政令市の中で、都心と高速道路との距離が最も遠いそうです。
出張の際に利用する方の声からは、
「時間が読めず、時間にかなり余裕を持たざるを得なくて困る。100万人以上の都市でここまでアクセスが悪い都市はない。」
という指摘も少なくないそうです。
また、新千歳空港からの移動に、一般道の移動が全体の約3割を占めることや冬は特に定時性が確保されていない等があげられています。
アクセス強化の課題としては、札幌都心から新千歳空港間の移動時間短縮と定時性の確保を費用面と検討していかなくてはいけません。
インバウンド客を全道へ
札幌市は、北海道の人口の3分の1が集中しており、周辺の都市を含めると200 万人を超える都市圏を形成しています。
少子高齢化により人口は減り続けますが、北海道の人口に占める札幌人口の割合は増加し続け、2040 年頃には約4割に達すると見込まれています。
更に、2030年度末に開業予定の新幹線札幌延伸により、インバウンド客を札幌から全道につなげられるように取り組まなくてはいけません。
JRの輸送人数には限りがあり、北広島市に建設予定の日本ハムファイターズBPでも公共交通機関の利用には問題が多いため都心アクセス道路には期待大です。
まとめ
北海道の玄関口となっている新千歳空港と都心札幌を結ぶアクセス道路の整備もしくは新たなアクセス道路は、今後の札幌にとって必要になるものです。
新千歳空港から札幌駅、札幌駅から全道へのアクセス道路を整備することにより、観光はもちろん、物流経路となり経済波及効果も期待されています。
札幌市は、再開発が進められている街の更新時期と合わせた戦略的な取組でアクセス道路を検討中です。
ぜひ実現させてほしい取組の一つです。

